消防団にライフジャケット 釜石の歯科医、浮力高い特殊仕様
2013年6月11日 11:16
東日本大震災の津波で多くの犠牲者が出た岩手県釜石市鵜住居地区の歯科医、佐々木憲一郎さん(45)が11日までに、水に浮く力を強めた特殊仕様のライフジャケット30着を地元消防団に寄贈した。
伝統のはんてん姿だけで、津波の恐れがある最前線に向かうのは危険と感じていたといい、団員たちも「ありがたい申し出」と歓迎している。
佐々木さんは震災時、犠牲者の歯を調べて身元を確認する作業に携わった。
その報酬を、生き残った人たちのために使いたいと考えた。「海が近く、水門閉鎖など水際の作業もあるのに、はんてんはあまりに軽装。問題提起になれば」と話す。
当時、はんてんにジャンパーを羽織って住民の避難誘導などに当たった消防団員の岩崎政夫さん(60)は「いつまた津波が来るか分からない。こういう装備があれば、より多くの人を助けられる」と話した。
釜石市によると、市内の消防団員は約750人。
水害などの際、はんてんに雨がっぱを着て現場に出ているという。
鵜住居地区では、消防団員を含む約600人が死亡、行方不明になった。
ジャケットは神戸市の「カザワトレーディング」が2004年のスマトラ沖地震を機に開発。肉厚のウレタン入りで、体が水に流されてもあおむけに浮くなどの工夫が施されている。〔共同〕
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