防災の日:歯科医ら訓練初参加...岩手・久慈
毎日新聞 2013年09月01日 21時01分
東日本大震災で4672人の犠牲者が出た岩手県では「防災の日」の1日、県などの主催する総合訓練が久慈市であり、初めて歯科医らによる遺体の身元確認訓練も行われた。
震災では難航する身元確認に歯の治療記録が役立ったが、訓練への導入は多数の死者が出ることを前提にしているため、昨年は遺族感情に配慮して見送った。
今回は手順を確認しておきたい県歯科医師会の要望で実現した。
東日本大震災で4672人の犠牲者が出た岩手県では「防災の日」の1日、県などの主催する総合訓練が久慈市であり、初めて歯科医らによる遺体の身元確認訓練も行われた。震災では難航する身元確認に歯の治療記録が役立ったが、訓練への導入は多数の死者が出ることを前提にしているため、昨年は遺族感情に配慮して見送った。
今回は手順を確認しておきたい県歯科医師会の要望で実現した。
同市の体育館であった身元確認訓練には歯科医11人と警察官、医師ら計約40人が参加。警察官が身体特徴を見る「検視」、医師が死因などを確認する「検案」、歯科医が歯の特徴を調べる「歯科所見」の順で、遺体役の人や人形をチェックした。
歯科医は治療痕などを専用シートに記入し、ポータブルレントゲンで歯並びなどを記録した。
震災で確認に当たった盛岡市の歯科医、熊谷哲也さん(44)は「歯科医は歯車の一つで、医師や警察官との連携が重要だ。訓練でそれぞれの役割が分かる」と話した。県歯科医師会の狩野敦史理事(58)は「私たちには亡くなった人の身元を確認し、家族に返す責任がある」と訓練の意義を強調した。
(安藤いく子)
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