歯科の訴訟係争は女性患者が大半を占める

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東京都歯科医師会の医事処理(平成20年7月〜平成20年12月)の取扱い件数は150件で、うち訴訟係争中事例は15件。 主な事例は以下であるが、13例中男性4例、女性9例であった。(新規事例は後日、紹介)新規事例16件。解決13件。

<解決事例>  1) 治療費の残金未払いに対する訴状を簡易裁判所に提出するも、患者側が本件は医療事故であり、払う必要はないと主張したため、地裁へ移送。 女性66歳。 紛争発生:平成19年12月19日。解決:平成20年7月11日(判決)。

2) 平成18年7月と10月の2回にわたり、舌小帯切除の手術を行った結果、「がま腫」を発症したとの訴えで、慰謝料および生活費を要求される。 女性24歳。 紛争発生:平成20年1月11日。解決:平成20年7月22日(示談)。

3) インプラントを埋入した際、隣の歯の根尖部にかかり、腫脹、疼痛が発現。二度、インプラント除去を試みるも除去できず。その後、患者から、「他院で、隣の歯は抜歯しなければならないと言われた」として、損害賠償を請求される。 男性61歳。 紛争発生:平成20年4月28日。解決:平成20年8月25日(示談)。

4)下顎に3本のインプラント埋入オペをしたところ、右顎下から首にかけて腫脹。 大学病院で下顎骨折と診断され、その修復手術を受ける。術後、手術費用全額並びに慰謝料を請求される。 女性55歳。 紛争発生:平成17年2月7日。解決:平成20年9月30日(退会につき取下げ)。

5) 根管治療のため、FCKメタルコアの除去を行う際、患者がむせて、首を前に出し、急に起き上がるように体動した瞬間、舌側を切削していたダイアモンドポイントに巻き込むような形で口腔底粘膜を損傷。謝罪するも、「誠意がない。納得できな」とのことで、慰謝料を求められる調停の申し立てあり。 男性44歳。 紛争発生:平成20年5月18日。解決:平成20年10月7日(調停成立)。

6) 前装冠の審美性を主訴に来院。  ファイバーコア及びオールセラミックスで補綴処置を完了するも、1カ月後、違和感を訴える。補綴物を除去し、根管治療を行ったが、違和感、咬合取れず、歯根端し切除を行ったところ、かなりの骨吸収を認めた。以後、経過を追っていたが、他院で診てもらったところ、「根尖部に傷があるが、土台を外す時に傷付けたのだろう」と言われたとして、突然、抜歯の治療費を要求される。 女性40歳。 紛争発生:平成17年7月10日。解決:平成20年10月7日(示談)。

7) 平成14年2月、Perの治療をした際、昭和59年に何の説明もなく抜髄した上,破折したリーマーを残置し、十分な補綴をしなかったため歯牙が破折したとして、地裁に提訴。損害賠償を請求される。 女性35歳。 紛争発生:平成18年7月31日。解決:平成20年10月16日(判決)。

8) 歯根端切除術後、疼痛及び排膿が起こり、CO2レーザーで除痛処置を試みたが、経過が変わらない上に、別の歯のクラウンにバーが当たり傷が付いたとして、治療に関しての謝罪とインプラント代、顔面の疼痛に対する治療費及び慰謝料を要求される。地 裁に提訴。損害賠償を請求される。 女性41歳。 紛争発生:平成18年5月31日。解決:平成20年10月20日(示談)。
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