歯科 「メディカルアロマコーディネーター養成講座」

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 日本アンチエイジング歯科学会認定「メディカルアロマコーディネーター養成講座」第1期講習会が7月19、20の両日、日本歯科大学九段ホールで開かれた。 近年の健康志向のなかで、アロマテラピーを導入する 歯科医院が増えているそうである。テレビも取材に来ていたので、改めて100%天然の精油(エッセンシャルオイル)に注目した。この精油は奥が深く、健康増進や疾病予防、治療にも効果をあげていることが分かった。 講習会は、アロマテラピーの定義と歴史、アロマテラピーの実際とエッセンシャルオイルの活用法、アロマテラピーの実践、アロマテラピーの医療分野への応用、歯科領域のアロマテラピーなどで、最後に認定試験が行われた。 歯科領域の拡大を提唱し、実践している日本アンチエイジング歯科学会の松尾通会長は、「日本アンチエイジング歯科学会の目的の一つに"生活管理"があるが、アロマテラピーを学ぶことで、患者さんへのアドバイスや歯科医療への応用ができる能力を身につけることを目的に、学会認定のメディカルアロマコーディネーター養成講座を開講した」と主旨を語る。また、「日歯執行部にも見せたい講座内容である」と述べていた。以下、アロマテラピーについて紹介する。

1)アロマテラピーとは何か

 芳香植物や薬用植物から抽出した天然のエッセンスを、自然な形で体内に取り込み、人間が本来持つ自然治癒力を高め、疾病予防、治療など心身の健康に役立てる植物療法である。

2)現在すでに医薬品として使用しているものは、植物の薬理効果を利用したものが意外に多い。

3)抗生剤の台頭により、医療の最前線から後退した精油は、抗生剤の副作用や耐性菌の問題によって、再び医療の現場で注目されてきる。

4)例えば、カンフル(カンファー)は、日本では「樟脳」と呼び、クスノキの幹・根・葉を蒸留して精製する。

歯科領域ではカンフルにフェノールを3、4割配合させた薬剤(カンフル、カルブール、キャンフェニック)をう窩に塗布して、う窩の殺菌、歯髄の鎮痛にも使用する。

5)ユーカリは、傷の周囲をユーカリの葉で被って、殺菌、消毒、解熱に用いる。医薬品としても非常にポピュラーで、ユーカリ油は医薬品として「日本薬局方」に収載されている。

6)残留農薬の有無などを考慮すると、治療目的で使う精油は、効果と安全性が科学的に証明されなければならない。

7)フランスでは製薬メーカーがGMP(医薬品の製造管理及び品質管理基準)に基づき品質管理する精油も登場しており、薬局で薬剤師によって販売されている。

8)歯科領域でも、アロマテラピーは注目が高まっている。待合室での芳香拡散。精油のブレンドによる歯肉マッサージや、精油の効能を利用した歯磨剤が開発され、効果をいあげている。

9)また、洗口剤としても最も普及しているリステリンにもたいむ、ペパーミント、ユーカリ、ウィンターグリーンなどの精油が使われており、口臭抑制効果が認められている。

 精油の抗菌作用と濃度について、日本アンチエイジング歯科学会理事である宝田恭子さんが以下紹介した。

アロマの医療分野への応用

宝田恭子さん

 東京歯科大学微生物教室で、マヌーカ、ティートリー、ユーカリラジアタ、ラベンダー、ローズマリー・シネオール精油の口腔内細菌の発育抑制、殺菌作用に関する精油濃度の実験を行った。その結果、虫歯菌、歯周病菌に対して、マヌーカ精油が極めて優れた効果を示した。歯周病菌に関し、ラベンダーとローズマリー・シネオールは0.25%〜0.5%くらいの範囲での菌発育を押さえた。 ティートリーとユーカリラジアタは虫歯菌に対し1%以下でも発育阻止効果以下でも発育阻止効果はみられなかった。 殺菌レベル(MBC)でも、やはりマヌーカが群れを抜いていた。 ラベンダー以外は、0.25%〜0.5%くらいで殺菌効果を示した。ラベンダーは1%以上でも虫歯菌、歯周病菌とも殺菌することはできなかった。 また、ティートリーとマヌーカは、ミュータンスとジンジバリスの歯面への付着阻止に有効であることがわかった。 また、精油が抗生物質のように、常在菌まで殺してしまわないか検討するため精油使用後、組織がどの程度活性を保っているかについての実験では、ローズマリー以外で、60%以上の活性を保つことが確認された。

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