歯学部が激減 景気悪化通える地元大学目指す傾向

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大手予備校によると2009年の大学入試は、景気悪化を映し親元から通える地元大学を目指す傾向が鮮明になったほか、食への関心の高まり、日本人のノーベル賞受賞者が出たことなど理系人気が復活し「緩やかな理高文低」だったという。 「確実に受かる大学を選ぶ傾向が強まった」。大手予備校・河合塾の近藤治教育情報部長は今年の特徴をこう説明する。背景にあるのは景気悪化と学生の安全志向だ。 志願者が増えたのは地方大学だ。福岡の私立・西南学院大や公立はこだて未来大、岩手県立大、島根大、大分大などの伸びが目立った。河合塾の近藤部長は「わざわざ東京や大阪に行っても4年後に就職があるとは限らないからのようだ。景気悪化は、地方にとっては優秀な人材を引き留めるきっかけになった」と分析する。  専攻別では農学部と理学部が人気。世界的な食料危機を受けて学生も食への関心を高めたようで、低迷していた農学部が注目された。東京農業大は志願者が1割も増加したという。  理学部人気は、日本人のノーベル賞受賞者が出たため。「政府が理科や数学教育に力を入れる高校へ手厚い支援をしてきた成果」との指摘もある。    食料や健康、環境問題に関連するバイオサイエンスは女子に人気が高い。卒業後、多くが食品や化学メーカー、製薬会社などに就職。勉強の成果が将来、生かせるのも選んだ理由のようだ。一方で志願者が減ったのは歯学部。駿台予備学校調べでは私立で40%、国公立で15%も減少した。   歯学部が激減歯科医師が多すぎるためだという。医学部は、定員が増えたのに志願者はほぼ横ばいだった。長時間労働などの医師の"激務"が明らかになって敬遠された面もある。  景気と連動して志願者が増減する経済学部や商学部は微減。「もっと減ってもおかしくないが、景気悪化が急激すぎて、受験生が対応しきれなかった」(大手予備校)とみられる。
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