NHK 12月11日 18時49分
抜いた歯を捨てずに冷凍保存しておき、別の歯を失ったときに移植するなど、自分の歯を活用する新しい治療方法を広めようというシンポジウムが福岡市で開かれました。
シンポジウムは九州大学で開かれ、日本のほか、韓国からも歯科医師が参加しました。
この中で、歯科医師で広島大学の講師の河田俊嗣さんは、矯正治療などで抜いた歯を捨てずに冷凍保存し、別の歯を失ったときに移植する新しい治療方法を紹介しました。
河田さんは「この治療方法で120本の歯を移植したが、9割が成功している。
自分の歯を使うので拒絶反応が少なく、かみ応えが元の歯に近い」と説明したうえで、「定着せず、もう一度抜かないといけないケースがあるなど課題はあるが、治療の選択肢の一つとして、多くの人に知ってほしい」と訴えました。
このほか、抜いた歯を粉末にして弱ったあごの骨に移植し、人工の歯を埋め込むインプラント治療を行えるようにする方法なども発表されました。
シンポジウムを開いた長崎大学の朝比奈泉教授は「自分の歯を使う治療方法は感染の危険も少なく安全性も高い。
再生医療なども進歩し、さまざまな活用方法が出てきているので、抜いた歯を捨てる時代は終わりつつあると思う」と話していました。
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