松本歯科大学大学院セミナ 自家骨細胞歯槽骨再生法

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日時: 2009年7月16日(木) 18時00分〜19時30分

場所: 実習館2階総合歯科医学研究所セミナールーム

演者: 各務 秀明氏 (東京大学医科学研究 )

タイトル: 自家骨髄間質細胞を用いた歯槽骨再生法の効果と課題について

再生医療とは、細胞や増殖因子などを用いることで失われた組織や臓器を再生さ、疾患を治療しようという新しい概念である。再生医療では、組織や臓器に代って自己の細胞や生体吸収性の人工材料を用いる。したがって、少ない侵襲で持続的な治療効果が期待されることから、高齢化社会に向かってますます重要な研究分野となっている。再生にはさまざまな要素が必要であるが、その主役は細胞と考えられるため、細胞を用いた再生医療が現在の研究の中心となっている。中でも、体性幹細胞は成人でも採取可能であるため、倫理的問題や免疫拒絶の問題がないことや安全性から、現時点で臨床に用いられる主な細胞源となっている。体性幹細胞としては、骨髄由来の間葉系幹細胞が代表的であり、骨、軟骨、筋などさまざまな組織への分化が確認されている。われわれは、体性幹細胞を用いて、骨、軟骨、平滑筋、歯根膜などさまざまな臓器の再生について研究を行ってきた。

特に、口腔領域では骨髄由来の間葉系幹細胞を用いて、骨再生に関する基礎および臨床研究を行うことで、体性幹細胞の持つ可能性について検討を行ってきた。これまでの臨床研究では、歯槽骨再生については一定の治療効果が得られており、今後の実用化が期待されるが、その一方で個体差や培養中の不安定性などの課題も明らかとなってきた。本セミナーでは、現在進行中の歯槽骨再生治療の現状と課題について報告する。また、培養環境が骨髄間質細胞の持つ骨形成能に与える影響について検討することで、今後の培養細胞を用いた骨再生治療法の方向性について考察したい。

 

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