東北口腔がん対策推進会議が、口腔検診を始めた。
昨年11月に同推進会議が発足、東北6県と北海道の歯科医師会で対策を進める。
また、各地元の歯科大学・歯学部とも連携する。
13項目のチェックシートに従い、口の中を検診する。
<参考>
がん対策意見交換会 資料
(社)日本口腔外科学会
現在までに実施してきた口腔がん対策
・禁煙推進運動
口腔領域においても喫煙よりがん発生が有意に増加するとされ、平成15
年10 月禁煙推進宣言を行い、会員、国民に喫煙習慣の大幅な抑制に着手し、
禁煙の推進に向けて活動を行い口腔がん発生の予防を図ってきた。
・口腔がん検診のガイドラインの策定
平成16 年度日本歯科医学会委託研究課題として、一般歯科医師を対象とし
た「口腔癌検診のためのガイドライン」を作成し公開した(日本歯科医学
会誌 25:54-62, 2006)。
・地域口腔がん検診の実施
本学会都道府県支部、地域歯科医師会、自治体と協同して口腔がん検診を
実施し、最近、検診実施地域は拡大傾向にある。
・口腔がんの診断・治療に関する教育研修会の開催
教育研修会を定期的に、時には関連学会と共同で研修会を開催して、本学
会員の診断精度向上、治療の標準化、ならびに治療成績の向上を図ってき
た。
・口腔癌治療のガイドラインの策定
日本口腔腫瘍学会と連携して、これまで医師・歯科医師を対象とした下顎
歯肉癌、舌癌の治療ガイドラインを作成し公開し、口腔がん治療の標準化
を図っている(http://www.jsoms.or.jp/)。
・口腔がんに関する疫学調査
日本頭頸部癌学会と共同で口腔がんに関する疫学調査を実施してきた(日
本口腔外科学会雑誌52:401-410, 2006)が、今後の調査研究の継続・方法
については、個人情報保護の点から検討中である。
・口腔がんに関する基礎的・臨床的研究の実施
口腔扁平上皮癌の浸潤様式に関する研究、下顎歯肉癌T4 分類、超選択的動
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注化学療法等、数多くの研究成果をあげ、口腔がん治療成績の向上に寄与
してきた。
口腔がん対策に対する提言
・歯科医学・医学教育における口腔がん教育の充実
歯学部学生、医学部学生に対する口腔がんの診断・治療等に関する教育の
充実をはかる(コア・カリキュラムの充実)。
・開業歯科医師に対する口腔がん診断に関する研修体制の整備
日本歯科医師会を通じて、口腔を診察する機会が最も多い一般の開業歯科
医師に対する口腔がん検診・診断に関する研修体制を整備する。
・口腔がん・口腔前がん病変の啓蒙と口腔がん検診の実施
歯科の8020運動と連動させて、地域、職場における歯科検診を有効に活用
して、口腔がん・口腔前がん病変について啓蒙するとともに、口腔がん検
診を推進する。
・より簡便な口腔がん検診法の開発
唾液や含嗽液等による簡便で診断精度の高い口腔がん検診システムを開発
する。
・都道府県がん診療連携拠点病院における口腔外科の設置
口腔がんの診断・治療、口腔ケア、口腔機能回復を担当するとともに、地
域の口腔がん治療医の研修・養成に寄与する。
・口腔がん治療医の養成
都道府県がん診療連携拠点病院や大学病院における歯科医師の研修システ
ムを構築する。
・個別化・低侵襲治療および機能回復治療法の開発と支援
口腔のQOLを考慮した個別化したより低侵襲治療法とともに、治療後の口
腔機能回復療法を開発・支援する。
・重複がん早期診断・治療システムの構築
口腔がん患者の10?15%が有する重複がんの早期診断・治療システムを構
築し、がん死亡率の減少をはかる。
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