東京歯科保険医協会 国会議員学習会(中)

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東京歯科保険医協会の「歯学部定員割れに見る歯科医療の危機と政策提言を考える」国会議員学習会は既報のとおり10月7日、参議院議員会館の地下会議室で開かれた。

司会は森元主税副会長が務め、はじめに中川勝洋会長が挨拶をした。この後、南條芳久政策委員長が報告をした。歯科界は低医療政策の下で、将来の展望が持てず歯科医療に従事する若者が極端に減っており、『医療崩壊』の状態が続いている。そこで、同協会は「歯科医療改革提言」を発表した。4月18日には「歯科医師の受給問題をどうするか?」と題して、「4.18これからの歯科医療を考えるシンポジウム」を開いた。以上の背景を踏まえて、国会議員学習会が開かれたもので、国民が歯科医療機関に「かかりたくもかかれない」歯科の実態などが南條芳久政策委員長から報告された。また、中高年の受診率が低下していることが強調された。そして、30年にわたり診療報酬改定で大幅な歯科診療報酬が抑制されているため、歯科医療機関の経営が限界をこえている、ことが報告された。疲弊した歯科医療の現場では歯科医師の意欲の低下等により歯科医療の質と安全基盤が失われつつあること、などの実態を紹介した。そこで、10%以上の診療報酬改定が期待されており、"歯科医療費で3兆円をこえる財源確保を求めている"とした。これらの報告に対して、以下の国会議員の意見や考えかたが述べられた。   

<川口浩衆議院議員>歯科医療の現実を国民に理解していただき、少しでも目に見えるかたちで改革していければいいと思っている。子どもが3人いたが誰一人歯医者になると言わなかった。しかし、いつまでも文句を言っていてもはじまらない。少しでも前へ進めるように、できることからやっていくべきだと思っているのでよろしくお願いしたい。別の会合があるので、これで失礼したい。

<水野智彦衆議院議員>我々民主党は今、介護問題、在宅医療に取り組もうとしている。しかし、レセプト点数が上がってしまったことで、地域医療のために地元のことを思い一生懸命頑張っている先生方が、指導の対象にされている現実がある。さきほどの報告にも出たが、犯罪者のような扱いを受けてしまう。そのような現実もある。歯科医療の将来に希望が見えない状況であり、みなさまの力添えによって政治の場でこの状況を打開するため頑張っていきたい。<大久保潔重参議院議員>会合がったので遅れて来てすみません。口腔保健法の成立に向けて頑張っていきたと思っている。以前の勉強会でも話をしたが、歯科医師需給問題は大きなテーマであるが、その解決にはまだ至っていない状況である。歯科医療の現実を、国民によく理解してもらう働きかけも重要だと思っている。<田村智子参議院議員>近所の歯科開業医は夜の9時まで、お一人で診療をされている。これまでの低医療政策が大きな負担になっているのだ、ということを実感している。診療報酬改定に問題があったと思っているので、これまでにない強力な運動によって、改革に向けて頑張っていきたい。<初鹿明博衆議院議員>祖母がボケはじめてから、歯科医療でかかったことであるが、口を開けろと言っても開けない。口を閉じろと言ったら口を開く。本当に歯科医療は大変である。それで窓口で会計をしたら100円そこらである。「マクドナルドよりも料金は低いな」と先生に言われてしまった。歯科医療は改めて大変なんだなと思った。私の自宅の見える範囲に5軒の歯科医院がある。歯科医師が本当に過剰なんだな、と実感をしているのでみなさんと一緒になって、解決に向けて頑張っていきたい。

<吉田統彦衆議院議員>自治体病院が赤字経営で歯科を閉鎖している。また、歯科麻酔医の問題がある。能力がある歯科医師が多くいるなか、医科で歯科医師が麻酔をできるように制度を変える必要を感じている。歯科大学で歯学部をもっている大学は、すでに歯学部定員を減らして医学部定員を増やしている。歯科医師需給問題は、そのような形でも解決をしていく。また、施設に入っている方々の口腔ケアがなされていないことが問題だと思っている。医科と歯科がもう少し連携をして、歯科衛生士の働き場所を増やしていくことだ。先生方のご意見を反映して頑張っていきたい。<円より子・前参議院議員>さきの参議院議員選挙で落選をしてしまったが、東京歯科保険医協会の中川勝洋会長たちと歯科の勉強をずっとしてきた。私は歯科医師ではないが、歯科医療の重要性について学んできた。そのなかで、口腔機能が生きる活力になっているのだと感じた。私の母が脳梗塞で倒れたので、ずっと介護をしてきた。母は90歳であるが、自分の歯が28本ある。今は元気になったが食欲もあり、歯が丈夫なことは本当に大切なことだと歯科について勉強してきてので感じている。

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