東京歯科保険医協会の第19回メディア懇談会が10月18日、東京・新宿区高田馬場の同協会事務局会議室で開かれた。
毎回、金曜日に開かれていたが、今回は臨時として月曜日の開催となった。
藤野健正広報部長が司会を務め、「協会の方でこの間、色々な行事や取り組みをした。また、保団連が全国的に歯科についての取り組み、課題が目白押しにあるので紹介したい」と述べた。
ついで、中川勝洋会長が以下挨拶した。
(参加者は少なかったが、懇談会らしさが出た)
<中川勝洋会長の挨拶>
先日の国会議員集会については、色々なアプローチをしたが、期待以上の議員の方たちに集まっていただいた。
これまでの運動本部を中心とした働きかけが、議員の間に浸透してきた結果と感じている。
1時間という短い時間で、こちら側のプレゼンがあったので、議員さんからの意見はそうたくさんいただいたわけではないが、色々な意見が出たので、我々としては嬉しい思いがあった。
先週の理事会でみんなの意見を聞いた結果、今回の第1回きりで終わるではないので、今後も機会をとらえて、歯科問題について国会議員の中で機運を盛り上げていただくための行動を今後も続けていきたい。
司会
10月16日、17日に理事部員一泊学習会を開いた。
その中川で、特に2012年は診療報酬・介護報酬の同時改定が行われるので、学習したので、担当の森本副会長から報告をお願いしたい。
森本主税副会長
3時間にわたって(午前9時〜午後1時)学習した。
診療報酬・介護報酬の同時改定では、歯科訪問診療が関わってくる。
高齢社会の中で、歯科医療が重要となりつつあり、介護現場における訪問診療について、現状を踏まえた議論を行った。
しかし、施設とは別に在宅・個人までは歯科訪問診療は進んでいない。
その原因は何のか、など色々な問題が提起された。
全員が歯科訪問診療をやっているわけではない。
歯科訪問診療をやっている私は分かるが、やっていない人にとっては、介護保険との絡みや主治医との連携がどうなっているのか。
訪問診療をやっていなくとも理解できるくらいで、学習会は終わったと思う。
ではどのようにすれば、歯科訪問診療がもっと進むのかが課題となったと思われる。
色々な質問も出たが、訪問診療をやるうえではケアマネージャーが中心となるので、日常的な問題としては、主治医との連携がある。
その連携が歯科としては歴史的にも苦手な分野である。
他のリハビリは、医療法で全部統一されている。
ケアマネージャーに電話をかけたり、文章を提供したりの面で慣れていないので地域で連携ができていない。
歯科医師会では地域連携をしていると思うが、東京でも訪問診療に行こうと思えば行けるはずだ。
行けない理由は何なのか、などを含めて勉強した。
しかし、問題の解決までは至らなかった。
司会
歯科医療に関する市民アンケートについて
森本副会長(運動本部長の立場での報告)
保団連は市民のみなさんのご意見を広く伺うために、市民アンケートを行っている。
東京保険医協会はそれに協力する。
内容は8項目で、1)性別 2)年齢区分。
3)現在、歯科医院に通院している 通院していない
4)歯は全身の健康にとって
とても大切だと思う
少し大切だと思う
あまり関係ないと思う
5)歯の治療には保険のきかない治療がありますが、どう思いますか
今のままでよい
保険のきく範囲を広げてほしい
6)歯科の保険の窓口負担は
高い 適当 安い
7)治療をせずそのまま放置しているところがありますか
ある ない
8)治療しない理由
時間がない
治療が苦手
費用が心配
その他( )
以上のアンケートであるが、難しいと答えてくれないので、シンプルな内容だ。
次に、「安心の医療をつくる」署名活動であるが、お金がなくて、必要な治療が受けられない現状がある。
病院の場合は痛ければすぐに行くが、歯科治療はかなり後回しになっている状態なので、窓口負担を減らす必要がある。
理想は窓口負担ゼロであるが、いきなりゼロというわけにはいかないので、徐々に窓口負担を下げていく、ということで署名活動に取り組む。
これを衆議院議長、参議院議長に提出する。
社会保障費を大幅にふやし、医療・介護の拡充を求める「10・21国民集会」を10月21日、日比谷野外音楽堂で開く。
これには色々な団体が参加をしている。
ゲストはタレントの山田邦子さんだ。
終わってから日比谷、銀座から東京駅までパレードをする。
医療費を先進国(OECD)並みに確保し、社会保障費制度の拡充をはかることが、期待されている。
医師、看護師、介護職員を大幅に増やし、地域医療の確保をはかることや患者・利用者負担を軽減し、安心・安全の医療・介護を実現することをアピールする。
また、今年で6回目となるが、「歯と健康」フォーラムを開く。
冬季五輪長野で同メダルリストの岡崎朋民美さん、鶴見大学歯学部の斉藤一郎教授を招きシンポジウムを行う。
斉藤一郎さんはドライマウスとアンチエイジングの第一人者だ。
その前にスライド上映で歯周病と入れ歯治療等の流れについて説明する。
また、治療中断が増えていること、高すぎる窓口負担金、外国ではどうなっているのか、保険医協会は窓口負担ゼロをめざしていることなどをアピールする。
司会
医科歯科連携シンポジウム2010を12月5日、東京保険医協会セミナールームで開く。
また、11月28日には医科歯科共同調査研究「歯周病と糖尿病・動脈硬化性疾患の関連性」中間報告会を東京保険医協会セミナールームで行う。
治験者が60数名いる。
岡山大学の高柴正悟教授がプロジェクトに関する1回目の分析結果について、共同調査中間報告をする。
ビートたけしのテレビの2時間番組でも先日、歯周病と全身の疾患との関連について放映された。
歯周病と糖尿病などについては、世界的にも研究が進んできている。
まだ、驚くような結果が出る状態ではないが、流れとしては現実の患者を媒体として医科歯科が連携した共同調査はそれほど多くないと思う。
結果論の研究はあるが、お互いが治療をしながら経過を2年、3年追っていくプロジェクトであり、重要な面として大きく展開していく分野だ。
ここえくるまで、足掛け5年かかった。
長崎、大阪、仙台、青森に広げていく。
実際、東京、千葉が中心であるが、全国へ広げていく。
腎炎、免疫反応の慢性腎炎と歯周病にも流れを広げていきたい。
矢野正明副会長
毎年、11月に浅草文化観光センター前で、「イイハデー」として宣伝・署名活動を中心に「お口の健康無料相談」を行っている。
今年は11月14日午後1時から3時まで、チンドン屋も加わり、縫いぐるみも登場する。
歯科関係者100名くらいが参加し、雷門周辺で大々的に宣伝活動を行う。
以上の報告についで、メディア側との懇談(意見交換)が活発に行われた。
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