昭和大学歯学部歯科理工学の宮崎隆教授(歯学部長)に会って、顎骨の造成について確認した。
インプラント治療で顎の骨が吸収されている場合。
インプラントを植立するため、薄くなった骨を増やす目的で、骨造成材が用いられている。
だが、人工の材料は5年後、10年後、あるいは20年後、消えてなくなる。
そこで埋入したインプラントが骨から取れてしまう。
「多くの歯科医師はこの事実を知らない」と藤野茂さん(東京・杉並区開業)は指摘する。
宮崎教授を訪問したのは、藤野さんの指摘が正しいのかを確認するためでもあった。
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<参考>
○骨造成とは
歯が抜け落ちてから期間が経ち、歯を支えていた骨が痩せて退縮がはじまり、骨が薄くなってしまっている状態で対処法。
顎の骨が痩せてしまった場合、骨造成の手術を行うことで骨を再生できる場合があります。
インプラント治療では、顎の骨が少ない場合など、手術前にCT検査で顎の骨の状態を詳しく調べ各症状に合わせた治療を行います。
そこで骨が不足している部分に、骨を充填([じゅうてん]=補って充足させること)して骨を増やす治療を行います。
○インプラント治療とは?歯が欠損している部分の顎の骨に人工物を埋め込んで歯の代わりとする治療方法です。最近では、インプラントの芯材としてはチタン製になっていますが、骨に植え込む部分では、表面処理がされていたり、ハイドロキシアパタイトなどの生体親和性の高いものがコーティングされたインプラントが各社から販売されております。
○術前診断
手術に先立ち、全身状態の検索、および、インプラントを植える部分の骨の状態を診査します。全身の状態によっては、インプラント治療が難しい場合があります。
骨の状態を診査するためには、レントゲンや、時にはCT撮影も必要になります。
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