本家に負けない日本版NIHに−世界最先端の医療技術・サービスを実現

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薬事日報 2013年10月18日 (金)

 

安倍内閣になってから、「日本版○○」というフレーズが多くなったような気がする。まずは、外交・安全保障も重視するとした「日本版NSC」(国家安全保障会議)の創設構想を表明し、健康と医療の分野においては「日本版NIH」創設に向けて動き出している。

 

日本版NIHの創設については、4月に安倍首相の指示を受けた菅官房長官が骨子をまとめて「日本再興戦略」と「健康医療戦略」に盛り込んだ。

骨子では、司令塔機能の推進本部において、政治の強力なリーダーシップにより[1]医療分野の研究開発に関する総合戦略を策定し、重点化すべき研究分野とその目標を決定すると共に、[2]同戦略実施に必要な、各省に計上されている医療分野研究開発関連予算を一元化(調整費など)することにより、司令塔機能の発揮に必要な予算を確保し、戦略的・重点的に配分する—その役割が記されている。

 

また、総合戦略に基づいて個別の研究テーマの選定、研究の進捗管理、事後評価など、国として戦略的に行うべき実用化のための研究開発を基礎段階から一気通貫で管理する独立行政法人をスクラップアンドビルド原則で設置するとしている。

 

世界最先端の医療技術・サービスを実現し、健康長寿世界一を達成すると同時に、健康・医療分野に係る産業を育成し日本経済の成長に寄与することを目的に、成長戦略の推進と医療分野研究開発の司令塔機能を有する「健康・医療戦略推進本部」(本部長:内閣総理大臣)の設置が8月2日に閣議決定されて以降、8月中に2回の本部会合が開催された。

 

会合の合間の8月15日には、菅官房長官が総理官邸で厚生労働省、文部科学省、経済産業省に対して、来年度の医療分野研究開発関連予算要求ヒアリングを実施した。

内閣官房ホームページによれば、官房長官はヒアリング後に、「各省の説明を聞いて、関連する省が緊密に連携して一体的に取り組んでいくことが大切であると改めて認識した。医療分野の研究開発は安倍政権の最重要課題の一つである。まさにオールジャパンの体制を築いていくことが極めて大事であり、国民に対する責務だと思う」と述べたという。

 

そして今月8日には「医療分野の研究開発に関する専門調査会」の初会合が行われ、いよいよ日本版NIHの総合戦略策定に向けた作業に着手した。年内に総合戦略の基本的考え方を、来年1月には総合戦略を決定し、2月に推進本部、新独立法人法などの関連法案を提出、3月に法案成立を見込むスケジュールが公表されている。

 

革新的医療技術の核となる医薬品・医療機器・再生医療製品等を世界に先駆けて開発し、上市、輸出するためにも、本家NIHに負けない日本版NIHになることを期待する。

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