日本私立歯科大学協会が記者懇談会を開く

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国立大学こそ、合理化・定員削減・統廃合・大学院特化等を      日本私立歯科大学協会は4月30日、東京・千代田区九段南の同協会会議室で記者懇談会を開き、文部科学省主催(平成21年度2月4日)「国公私立大学歯学部長・歯学部附属病院長会議」についての意見書を明らかにするとともに、記者側に質問や意見を求めた。 懇談会は、副会長兼専務理事の安井利一氏(明海大学学長)、本間実事務局長により行われた。 初めに安井氏が、文部科学省高等教育局医学教育課の新木一弘課長に手渡した「意見書」の内容について説明した。 4 月18日の読売新聞夕刊で、私立歯科大学・歯学部の6割が定員われたであることが報道された。 大幅な定員割れで質定に一定レベルの入学者を確保できないおそれがある。「歯科医療の崩壊につながりかねない」として日本私立歯科大学協会も危機感を強め、対策等の検討を始める、と報道された。 安井副会長は、読売新聞の取材で、「歯科医療の必要性を国民にアピールしていくしかない」と述べている。 しかし、安井副会長は、読売新聞が十分に情報を伝えていないことを踏まえて、「歯科医療が国民にとって重要であり、このままでよいのか」との思いから記者懇談会を開いたと主旨にふれた。以下安井副会長が述べた。 <安井副会長談話> 激動の時代であり、意見を頂戴したい。歯科医師を養成する立場から、考え直さなければならない時期である。日本歯科医師会の大久保会長とも話したが、運命共同体である。歯科医師会がだめになれば、日本私立歯科大学協会もだめになる。 歯科大学・歯学部がだめになれば歯科医師もだめになる。今年の状況では,大きな定員割れをしている歯科大学・歯学部もある。募集定員がマイナス202人、10.2%の定員割れである。まず、歯科大学・歯学部に問題、課題が発生している。 これは、近い将来、日本歯科医師会にも波及するので、歯科界が一丸となって考えいかなければならない問題となっている。文部科学省に報告書が提出されて、急転直下問題が出てきたが、このままでいいのか。本協会の理事会で色々な意見が出た。 定員の問題、歯科医師の資質の問題であるが、歯科医師を目指す学生たちにとっては極めて厳しい。歯科医師に夢がない内容ではないかと、考え理事会の意見を取りまとめた。意見書は、加盟17の学長、歯学部長名で、3月11日に文部科学省に提出した。その後、医学教育課で国公私立大学歯学部にヒアリングをして、改善計画を求めている。4月20日に各学校が改善計画を提出している。今回、文部科学省に提出した意見書は、歯学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議第一次報告「確かな診療能力を備えた歯科医師養成方策」の「歯科医師の社会的需要を見据えた優れた入学者の確保」を踏まえたものである。このなかで、「歯科医師過剰が、職業人としての魅力の低下や臨床実習に必要な患者の確保等に影響」と述べている。 もし、「歯科医師過剰」のよる「職業魅力の低下」が、事実だとするならば、行政改革の最中、莫大な税金を投入している国立大学法人歯学部こそ、合理化・定員削減・統廃合・大学院特化等を喫緊の課題としてとらえるべきであり、早急に実施すべきである。現在の歯科医師の約75%が私立歯科大学・歯学部出身者である。一方、国立大学法人は、国税で6年間私立歯科大学・歯学部の約1/10の学費という低廉な学費によって学生を集めていながら、歯科医師需給問題に関連付けて、私立歯科大学・歯学部入学定員削減問題を議論することは、我が国、歯科界に内在する問題及び解決策を曖昧にし、国民歯科医療の向上という我が国歯科医療界の果たすべき本旨から大きく逸脱する論と考える。
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