日本歯科医師会:大久保新執行部発表 堀、倉治、佐藤、富山の各常務理事に注目

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日本歯科医師会の新役員が4月1日に発表され、大久保執行部の新たな陣容は次のようになった。()内は、所属歯科医師会と業務分担。

会長=大久保満男(静岡県)、副会長=近藤勝洪(東京都:社会保険・器材薬剤・情報管理)、宮村一弘(愛知県:需給・災害時対策・広報・医療管理)、山科透(広島県:学術・地域保健・日本歯科総合研究機構)、専務理事=村上恵一(東京都:総括)、常務理事=山崎芳昭(北海道:会計)、守田邦昭(福岡県:厚生・会員)、堀憲郎(新潟県:社会保険)、佐藤保(岩手県:地域保健・産業保健)、倉治ななえ(東京都:広報)、柳川忠廣(静岡県:庶務)、溝渕健一(京都府:医療管理・税務)、冨山雅史(東京都:器材薬剤・情報管理)、中島信也(神奈川県:学術・生涯研修、国際生涯)、理事=森原久樹(鹿児島県:会計、厚生・会員)、榎本滋(東京都:地域保健・産業保健)、春日司郎(長野県:器材薬剤・情報管理)、阿野満(北海道:医療管理・税務)、豊嶋健治(香川県:社会保険)、白尾理英(石川県:学術・生涯研修、国際渉外)、中村宜夫(山梨県:広報)、山口武之(新潟県:社会保険)、常任監事=矢崎秀昭(東京都)、監事=秋山治夫(福岡県)、湯浅太郎(千葉県)。

陣容の背景や役職の意味合いなどの一部を探ることで、全体像が見えてくる。いつの執行部人事には、期待と不安が付きまとうものだが、執行する中で解決するケースもあり最初は、エールを送り見守っていくことになる。

宮村副会長の再任は、周囲の人たちから指摘されたが、「愛知県歯会長を勇退したことで、"日歯副会長職"へ専念することになる。事実、厚労省の検討会、日歯役員会会議、地元愛知県歯の会議など連日対応に追われていたが、限界を感じていたようだ。平成24年度の医療・介護の報酬の同時改定、歯科医師需給問題、医科歯科連携、対内・対外広報などの対応に全力を傾けていくためといえる。村上専務理事の留任は妥当とされ、大久保会長を執行部の要として着実に支えてきたことからの、その信頼を得ていた結果といえる。

注目されるのが、堀、倉治、佐藤、富山の各氏を常務理事に抜擢したことである。まず、医療・介護の同時に向けての厳しい改定交渉となるとされている担当者にある社会保険担当常務理事に誰がなるのか会員の関心事であった。結果は、3月まで渡辺三雄・常務理事(社会保険)を補佐・支えていた理事の堀氏の昇格人事であった。中医協規約・規定などの定年・年齢等もあり、「自分の再任云々は、何ともいえない」と前回と違う微妙な表現であった。困難が予想される医療・介護の同時改定を迎えるにあたり、今までとの継続性を勘案すれば、堀氏の昇格は無難とする見方もある。同氏は、新潟県歯科医師会歯専務理事の経験も有しており、"理論家"との評判もあり、その手腕が発揮される時期に就いたともいえる。

また、佐藤保氏の常務理事(地域保健・産業保健)就任については、多くの関係者は適材適所として評価する。同氏の、この分野における実践・調査は、衆目の一致するところであり、臨床家としても、その温厚な人柄と政策への理解は誰も認めている。ただ、岩手県歯会専務理事を務め、箱崎守男・同会長を支えてきたが、3月11日の東日本大地震以後、その対応に追われている日々であるが、この課題への対応急務になってしまった。図らずも、地域保健が本当に問われることになってしまった。

一方、日本歯科医師会としての会員への政策の周知徹底、社会へのPRなど継続してその職責は大きい広報担当常務理事に倉治ななえ氏を迎えた。石井みどり参議院議員が常務理事に就いて以来の女性の常務理事の抜擢になる。臨床家としてTV、一般マスコミへの出演、書籍の刊行など豊かな経験をもっており、女性ならではの感性を求められる医療において、その経験・人脈を生かせるかどうかが問われてくる。懸念されるのが、情報のIT化に伴う政策や技術への理解などが指摘されるが、それらに関係する役員の補佐・連携によってバックアップされるので徒労だとの声もある。情報収集・発信などについて、さらなるITツールの効果的・有効な活動をすることが求められる。

富山雅史氏は、都歯役員を経験しての執行部入りである。臨床家として研究への東歯大同窓会としても期待の人材とされ、今後への活躍が期待される。その理由として冨山氏の背景にある人脈を看過できず十分な活用が求められている。情報管理という業務担当も受けているが、具体的には何をするのか不明。何らかの業務を持たせると考えるべきで、今後の活動の中から真意がわかると思われる。基本的には、情報管理は多くの組織にとって強力な手段になる重要なものとされている。

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