日本歯科医師会のスポーツ歯科検討委員会 答申書

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要旨連載 3)

 

<スポーツ歯科のあり方>

 

我が国でも医療の二次予防(早期発見・早期治療)から一次予防(健康増進)への流れの中で、国民の運動・スポーツを通じた健康づくりの流れが急速化し、運動・スポーツに散る組む高齢者も増加している。

日本歯科医師会では、すでに1991年から認定健康スポーツ医制度を導入し、2007年5月までに1万8000余り認定健康スポーツ医を養成している。

認定健康スポーツ医は、児童・生徒から高齢者に至るまでを担っている。

運動・スポーツを中心とした一次予防から二次予防まで、さらに三次予防まで広く役割を担う可能性がある。

日常診療における健康増進活動の実践に加え、学校医、産業医、各種運動指導者等との連携に基づく健康増進活動を展開し、生涯健康事業推進の一翼を担っている。

地域の日常診療における健康増進活動の実践は、歯科医師にできることである。

また、実践しなければならないことである。

歯科医師の立場から、地域住民の運動・スポーツを通じた健康づくりを支援する。

このことで健康寿命の延伸、安心・安全な国民生活の確保並びに、QOLの維持向上に貢献、寄与することができる。

いわゆるスポーツ万を対象としたスポーツ歯科医(認定医)ではなく、児童・生徒から高齢者までの幅広い年齢層を対象とする「健康スポーツ歯科医」の養成が必要である。

「健康スポーツ歯科医」には、地域スポーツドクター、認定健康スポーツ歯科医、トレーナー、栄養士、各種運動指導者との連携を取りながら、日常診療における健康増進活動の実践を行うことが求められる。

具体的な役割としては、運動・スポーツを実施継続する上での歯科的な健康管理・保健指導、通常歯科疾患の診断・治療、スポーツ歯科障害への対応、歯科か安全教育、マウスガードの普及等が挙げられる。

このように、スポーツマンのためのスポーツ歯科から国民のための健康スポーツ歯科への展開は、かかりつけ歯科機能充実に繋がる。

そこで学校歯科や産業歯科の現場にも有効活用されるものと思われる。

最後に、上記の現状と課題を踏まえて、以下のことが期待される。

1)歯科の専門的立場から、地域住民の運動・スポーツを通じた健康づくくりを支援し、健康寿命の延伸、安心・安全な国民生活の確保ならびにQOLの維持向上に貢献、寄与できるようにする。

児童・生徒から高齢者までの幅広い年齢層を対象とする「健康スポーツ歯科医」を養成することを目的として、健康スポーツに係わる講習会を開催する。

2)スポーツ関係諸団体、学会、日本学校歯科医会おうおび日本スポーツ・健康スポーツ歯学協議会(JSHP)等と連携し、「健康スポーツ歯科医」の養成・認定制度に係わる具体的方策等を審議検討する場を設置する。

 

以上が日本歯科医師会のスポーツ歯科検討委員会の答申書の概要であり、その実現が望ましいと答申したもの。

なお、前身のスポーツ歯科検討ワーキンググループから提出された平成20年の報告内容等を踏まえた答申である。

日歯は、これをどのように国民に"広く伝えよう "としているのであろうか?

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