日技代議員会:執行部想定外「新公益社団法人日技”定款”承認の件」を否決

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第91回日本歯科技工士会代議員会が3月20日、日技会館で開催され、9本の議案、協議事項、報告事項などが議論された。まず、中西茂昭・日技会長は挨拶中で、会員が注目している海外委託技工問題について、日歯が「海外への補てつ物等の委託に関する日本歯科医師会の考え方」を厚労大臣政務官、同省医政局長宛に提出したことを紹介しながら、「これは、日歯、日本歯科医学会、日本歯科商工協会、日本歯科材料工業協同組合と日技が協議してまとめられたものである」とした。また、最大の課題である"経済問題"に関しては「歯科診療報酬点数表に製作技工報酬点数として明示すること」を小沢一郎・民主党幹事長と長妻厚労大臣に直接訴えたこと明らかにした。また、新公益法人への移行に関して「大所高所からの賢明な判断を期待しています。将来に亘って日本歯科技工士会が公益社団法人としての責務を果たしていけるよう、次代を育むことに繋がる土台を固めていただきたい」と理解を求めた。平成22年度診療報酬改定にも言及し、「医科を上回る2.09%プラスという点数配分になったが、在宅・障害者歯科医療の推進、病院歯科機能の強化等に重きが置かれるなど日歯の意向が反映されました。有床義歯等の評価とともに、医療機関での義歯修理に"歯科技工加算"が新設されました。新しい方向性を示すことが、可能性を拓くことに繋がる」と期待を示した。質問・要望事項に移り代議員との質疑応答が行われ、2月6日にTBSで放映された「海外委託技工問題」、そのほか「情報公開」、「新公益法人」などに議論が集中した。「海外委託技工問題」については、「放映することの情報提供をなぜ会員に知らせなかったのか」との質問に、執行部からは「内容が事前にわかっていないので、間違っていたり、誤解を与えたりする可能性があると判断し、今回の対応になった」と慎重に対応したことへの理解を求めた。また、「新公益法人」については、公益法人改革関連三法・改正保険業法に対応するための日本歯科技工士会組織改革機構改革のロードマップを提示しながら、「新公益法人の定款」、「役員報酬及び諸費用弁償規定」、「代議員選挙規定」、「役員選挙規程」など丁寧に説明した。今後の組織の在り方に影響することから、新公益社団法人移行に関連する5本の議案について関心を集める中、特に基本になる4号議案:「新公益社団法人(予定)日本歯科技工士会"定款"承認の件」の賛否が問われた。賛成には、総代議員数62名の3/4(47名)が必要であったが、賛成45名に止まり議案は否決された。執行部として、残りの関連議案4本を、急遽取り下げるという事態になり、想定外の対応をせざるを得ない場面もあった。文言の定義、法的解釈、タイムスケジュール等について、配布された資料では十分ではない、ということで代議員の間でも戸惑ったことは否めないようだ。関連して「日技に入会せず、地元県技に入会する方が会員は増える」、「地元の意見を聞いてほしい。上の方でどんどん進められている感じがする」、「会員数の少ない県技への対応にも配慮してほしい」などの意見が出された。最後の第9号議案「平成23年3月31日に該当日とする共済部規定等廃止の件」として出されたが、「継続する会員の減少傾向、現在の会員数の維持の困難等を踏まえて、各都道府県技で、現実的対応を検討していただきたい」とされ、各都道府県技は、厳しい対応を迫られることになった。なお、注目された第4号議案「定款の承認の件」が否決されたことについて、代議員会終了後の代議員からは、以下のような意見が聞かれた。「正直言って内容が理解できていませんので、帰って会員に説明できない」、「内容が難しく、理解するには時間が少なすぎる」、「どの社団法人も同じですが、新公益社団法人に移行に向けて迅速に対応している中でのことで残念」、「否決されるとは思っていなかったので、なぜ反対したのか理解できない。急がないと時間がないので」、「新公益法人に移行できなければ、現在の日本歯科技工士会は解散になるのですから、代議員の自覚を促したい」などの意見があった。
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