日常の歯科診療の中で「口腔がん」を発見する

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越谷市歯科医師会「口腔がん検診」の始まり

2013年4月4日 21:49

(社)越谷市歯科医師会 深代 眞吾

死亡原因の第一位の癌は現在も我々の脅威である。

中でも舌や口腔粘膜、歯肉に発症する「口腔がん」の発生が近年増加傾向にある。

それに伴い「口腔がん検診」を実施しようとする歯科医師会が増えている。

口腔がんの発生頻度は全身に発生する癌の1〜5%程度で、「問診、視診、触診」で発見可能な「がん検診」である。

そこで、越谷市歯科医師会は平成23年6月の歯科健康フェアで「口腔がん検診」を行ったところ、100名の定員に約700名の応募者があり、市民の関心の高さが明らかになった。

その結果、口蓋悪性腫瘍1名、前がん病変である白板症2名を含め9名を二次医療機関へ紹介する事ができた。

他の地区で行われた「集団口腔がん検診」データと比較しても十分な結果を得られた。

この様な「集団口腔がん検診」は各歯科医師会で年一回、或いは隔年で行われている例はあるが、我々が目指したものは越谷市歯科医師会会員の個別の歯科医院で行う「個別口腔がん検診」であり、日常の歯科診療の中で「口腔がん」を発見する事である。

この方式は全国的にみても極めて稀で、注目されている。

越谷市との長期の準備期間を経て平成24年5月より埼玉県の歯科医師会では始めて事業化に成功することができた。(毎年5月より翌年2月まで越谷市在住40歳以上に実施)検診結果は平成24年5月から25年2月15日までの結果である。(集計平成25年3月28日現在)二次医療機関での検査結果待ちもあるが、総受診者2297名、舌癌2名、歯肉癌1名、白板症15名、扁平苔癬3名、など前癌病変を含め高率で発見され、初年度としては十分な結果を得ることができた。

我々が事業化に成功したこの「口腔がん検診」が全国的にも「越谷方式」として認知度を高め、更なる進展をみる事を期待したい。

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