広範な市民・団体と連携を深め、TPP交渉参加の阻止

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【談話】 2013 年2月25日

全国保険医団体連合会

会長 住江憲勇

TPP交渉参加の意向表明に抗議する

2 月22 日、安倍普三首相は「日米首脳会談で、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明らかになった」として、TPP(環太平洋連携協定)の交渉参加に踏み出す意向を表明し、政府の専権事項として早い段階で決断するとした。

私たちは、国民皆保険制度を守る立場から、TPP交渉参加の意向表明に抗議するとともに、改めてTPP交渉参加を断念するよう強く求める。

会談後に発表された共同声明は、冒頭で、「日本が交渉に参加する場合には、全ての物品が交渉の対象とされること、及び、日本が他の交渉参加国とともに、2011 年11 月12 日にTPP首脳によって表明された『TPPの輪郭(アウトライン)』において示された包括的で高い水準の協定を達成していくことになることを確認する」としている。

「TPPのアウトライン」

では、関税と非関税障壁の撤廃が原則と明記している。つまり、「聖域」など存在しない旨を確認したことにほかならない。

その上で、「両政府は、最終的な結果は交渉の中で決まっていく」ことから、「交渉参加に際し、一方的に全ての関税を撤廃することを予め約束することを求められるものではないことを確認する」としている。

最終結果は交渉次第となり、交渉参加の時点で全ての関税の撤廃を予め約束する必要はないということにすぎない。

交渉の結果として、「例外」品目が認められることは何も保証されていない。

自民党が政権公約に掲げた「聖域なき関税撤廃を前提にする」ことにおいて、国民が関心を寄せている点は、農業・食の安全、公的医療保険など経済・生活に大きな影響のある項目を「聖域」として関税撤廃の対象から外せるかどうかにある。

共同声明は、全ては交渉次第であるとして、対象からの除外を確約していない。

安倍首相の参加意向の表明は、国民の関心・声に応えるものとは到底いえない。

医療分野においては、これまでも、アメリカは、薬価決定過程への外資企業参加、新薬の特許保護期間の延長など薬価の更なる引き上げにつながる改革、外国事業者を含む営利企業によ

る病院経営など、国民皆保険の形骸化にいたる制度「改正」を要求してきている。

医療や国民生活に大きな影響を与えるTPP交渉参加は断じて許されない。

引き続き、本会は、国民のいのちと暮らしを守るため、広範な市民・団体と連携を深め、TPP交渉参加の阻止に向けて全力を尽くすものである。

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