大阪府保険医協会が6月にも医院継承・閉院セミナー

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大阪府保険医協会は、このほど、保険医会館M&Dホールで、今年度の医院継承・閉院セミナーの第1回目を開催、50名の参加がありました。

今回は「医院の継承を考える」と題し、講師は去年と同じく日本医業総研GMの猪川昌史氏。

 猪川氏は、昨年以降の自身の相談経験を加えて、より突っ込んだ中身を話していただきました。

そこで強調されたのは、継承をうまく運んでいくには「継承先」、すなわち継承しようとしている側の考え方をもっと知っておくことが大事。

"継承先=買い手側にとってよい医院とはどういうところなのか"を知っておくといいということでした。

 親族に後継者がいる場合といない場合の違いはあっても、「継承」を意識して、早目に計画的にリタイアのことを入れて、医院を日頃からマネジメントしていくところとそうでないところでは、後で大きな差が生まれてきているという。

 そうした猪川氏の実践から得た問題意識にたって、まず"参加資格"的な要素ともいえる10項目の「継承チェックリスト」を提案。

ざっとみて自身のところが、どの程度準備できているか、その条件に適っているかをこの日の参加者に判断してもらいました。これにより自身の継承イメージを現実に引き付けることができます。

個人であろうが、法人であろうが、今は継承物件としてどういうものが望まれているかは、しっかり持っていないとほとんど成功しない時代となっているからです。

 二つ目に医院継承のパターンを個人医院と医療法人にわけ、各々第三者と親族(親子)間のものを区別し、関わった実例をもとに実務的な手続きの説明を行い、継承とは何かということを説明しました。

 三つ目には、関わった継承事例からみた問題点・失敗についてかなり長く解説してもらいました。

①継承元と継承先の譲渡金額の乖離が結構多い。

②スタッフを現状維持するか、総入れ替えか。どちらがいいか。

③継承元ドクター所有の診療所を賃貸する場合の問題。

④営業権(出資金譲渡)の契約書への「競業禁止」条項の挿入しておくことの大切。

⑤自宅兼診療所の継承の場合の問題。

⑥営業権設定の割り出し方(あってないような相場)など。

以上について話され、参加者にとっては非常に興味深い話でした。

 病気や事故など不測の事態で、廃業・閉院することのリスク、自身の後継者の育成やバトンタッチの時期・方法、そして法人の譲渡など、早い段階からの継承計画を立てておくことの重要性、現在の継承元である医院の価値をどのようにするか、またしていくかを考えることが如何に大事なのかを話の随所で指摘しました。

一言で言えば、なるべく早い段階からリタイア・継承に向けたマネージメントをすること、その構えで準備することが、すなわち相続対策にもなり、スムーズな継承対策にもつながることになるということでした。

 当日は、このセミナーを終えてから、7人のDrより個別に医院継承相談をお受けしました。

 協会では、今回は「継承元」向けのセミナーを行いましたが、6月9日には今度は「継承先」となる勤務医の先生方を集めて、継承セミナーを開催する予定です。

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