大阪で”光殺菌セミナー”

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LEDのタイプは口腔ケアを変える可能性も

 

最近話題となっているa-PDT(光線力学療法)の応用による、歯科治療についての研究会(セミナー)が11月11日、大阪コスモスクエアホテル国際交流センターで開催された。

この『最新テクノロジー研究会』はPROJECTZERO(大阪府茨木市)主催で開かれ、歯科用光殺菌器「Fotosan」(デンマークのCMS Dental社製、日本未認可)についての科学的検討と臨床応用の報告・検討の会であった。

歯科医師40名の参加があり、気仙沼市の三浦正先生の司会により進められた。

まず最初に、石川烈氏(東京女子医大先端生命医学研究所顧問、東京医科歯科大学名誉教授)が研究者の立場からフォトダイナミックセラピーの原理的解説、研究状況を解説した。

臨床効果については、光殺菌器を使った場合がSRPのみよりもはるかに良いというわけではない、やや良いという印象。

除菌の確実性は高い。治療にはあくまで、SRPと併用が原則である。

また、LEDは安全な光で、装置も廉価なので、光プラークコントロールという考え方が可能で、口腔ケア、自宅でのケアにも向いている。また、使い方による比較などの研究データがもっと出てきたほうがよい、という報告があった。

「Fotsan」の開発に加わったデンマークのDr.Metto Pomは、使い方の概説を行い、齲蝕処置、歯内治療、歯周治療、軟組織疾患(感染性)など、幅広く使える。

先端のチップもそれぞれに向くように開発した。

歯内での使い方が少し難しいが、30秒照射が原則で、根管の腐敗がある場合は30秒を2回がよい。根管が曲がっている場合、2/3までしかチップが届かない場合は2回行う、というアドバイスがあった。

群馬県の籾山道弘氏(みどり市開業)は、歯周病で歯を抜かねばならないと言われた患者が、なんとか残してほしいと頼ってくる駆け込み寺的な存在の先生(著書「歯周病が歯医者で治らない理由(わけ)」愛育社、2012年)で、やはりほとんど保存が不可能と判断するような症例を示して解説した。

多くの症例を提示し、まず患者の心理を受け入れて、なんとか長く持たせる処置をして信頼を獲得すること、すなわち次の処置に入れるまで、悪化を食い止め、時間をかせぐのに、光殺菌の処置は大変有効である、と述べた。

質疑応答では、すでに「Periowave」(半導体レーザー光)を使っている臨床家からFotosantoとPeriowaveでは光の特性や染色剤が違うので、操作性がだいぶ違う、といった質問や意見もあった。

石川氏は、まだまだデータが出てこないといけない、どのくらい薬剤が薄まると効果が下がる・下がらない、照射回数を変えて効果が上がる・上がらないなど、メーカーや大学などで結論を出しておかないと、安心できるスタンダードな操作が確立しないと述べた。

また、LED装置のほうがレーザーに比べると安全基準が低く、認可も早くなる可能性がある、侵襲性が低いと認められれば衛生士にも使えて、広まると思うと述べた。

 

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