口腔保健用機能性食品研究会の役割

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口腔保健用機能性食品研究会(仮称)設立趣意書

この度の東日本大震災により被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 さて、私ども世話人有志は以下の背景により口腔疾患予防のための口腔保健用機能性食品について広く学術的立場から考える機会を作りたいと討議を重ねて参りました。

今般漸くその機が熟し口腔保健用機能性食品研究会(仮称)設立総会を開催する運びとなりました。つきましては、私共の主旨にご賛同いただき総会にご参加賜ることができましたら幸いでございます。

よろしくお願い申し上げます。

 

1.背景

1991年に特定保健用食品(トクホ)の制度がスタートして20年が過ぎました。口腔領域においても、虫歯にならない、あるいはなりにくい食品が申請・許可されてきました。

口腔領域における特定保健用食品の承認の判定、特にキャンディー・ガムの判定については厚労省のガイドラインが作成されていますが、必ずしも口腔疾患の特殊性を考慮したものとはなっていないのが実情です。

例えば、齲蝕予防のためには、1日3回の食事時間に摂取する食品ではなく間食品を対象とすることが妥当であり、その摂取時期や方法が重要となります。

また、齲蝕予防の基本として、間食品が積極的に齲蝕を予防する「機能的成分」を含むこと以前に、酸の原料となる成分が含まれていないこと、が重要です。

その後、エナメル質再石灰化促進物質を含む新しい機能性食品がトクホとして許可され、現在では歯科トクホの主流になりつつあります。しかし、再石灰化評価のための公定法が存在しないため混乱を招いているのも事実です。加えて、キャンディー・ガム以外の菓子類については評価の基準があいまいで、マニュアル化された方法がありません。

さらに近年に至り、複雑な口腔細菌叢の動きを正確に捉えることが要求される細菌のバイオフィルム形成阻害剤や増殖阻害剤の有効性の評価、酸蝕症などに関わるエナメル質脱灰性の評価、歯周病などの口腔疾患を予防する機能性食品の判定等々、科学的に妥当で公平な評価方法を確立する必要性が強く望まれるようになりました。

このような問題点を将来的に解決するため、(1)口腔領域における機能性食品に関する情報交換と、(2)口腔疾患の特殊性を考慮した口腔疾患予防のための機能性食品の評価方法の提言を目的とした口腔保健用機能性食品研究会(仮称)の設立が必要であると考えます。

 

2. 口腔保健用機能性食品研究会(仮称)の設立

上記の背景に基づいて口腔保健用機能性食品研究会(仮称)の設立を推進するため、暫定的に事務局を鶴見大学歯学部探索歯学講座の中に置き、小規模の世話人会を開設して会の在り方、規模等について討議し設立準備を進めて参りました。

今般設立の目処が立ったことで設立総会を開き、会の名称、会則、会員資格、事務局等々につき決定する予定です。何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 

平成23年7月1日

世話人会

稲葉 大輔(岩手医科大学)

高橋 信博(東北大学)

松久保 隆(東京歯科大学)

永田 英樹(大阪大学)

馬場 俊輔(大阪歯科大学)

飯島 洋一(長崎大学)

花田 信弘(鶴見大学)

今井 奬 (鶴見大学)

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