口腔がん 歯科医が直接見て、直接触れることができる

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【静岡県】

口腔がん発見、歯科医連携 沼津拠点に全国ネット

 

 静岡新聞 11月9日(金)11時47分

口腔内をチェックする歯科医=7日、沼津市内

 口の粘膜や舌、歯茎などにできる口腔(こうくう)がん。

高齢化の進行とともに、増加傾向にある中、かかりつけの歯科診療所での治療をがんの早期発見につなげようと、歯科医師を中心につくる「NPO法人口腔がん早期発見システム全国ネットワーク」が発足した。

http://www.ocedn.jp/messege.html

沼津市内に置かれた事務局を拠点に、認知度が低い口腔がんの市民への啓発や、歯科診療所と基幹病院の連携促進を目指す。

 

 早期発見システムは、ネットワークの千葉光行理事長が市長を務めた千葉県市川市で、市歯科医師会に委託して2009年にスタートした個別口腔がん検診をモデルにする。

めん棒状のブラシで口の粘膜をこすり取る「細胞診」を診療所で実施し、結果に応じて手術や詳細な検査が可能な医療機関に紹介する態勢を整えていく。

 

 同ネットワークによると、進行した口腔がんは手術後、「食べる」「話をする」などの機能が奪われ、生活の質を著しく低下させる懸念がある。

一方で他の部位のがんと異なり、歯科医が直接見て、直接触れることができるのが特徴で、虫歯や歯周病など通常の治療中に、異変に気づく可能性も高いという。

 

 4年前、県東部の女性(25)は自宅近くの歯科診療所で担当医から下顎に異変があることを告げられた。

紹介された病院で検査した結果、悪性の恐れがある腫瘍が見つかった。

女性は「気付いてもらえて良かった。

定期的に歯科にかかる意義を実感した」と語る。

 

 事務局を任された沼津市の歯科医師の庵原明倫さん(44)は「患者さんの近くにいる歯科医の潜在的な力を発揮し、口腔がんで苦しむ患者さんを一人でも多く救いたい」と話す。

 

 同ネットワークは、全国の歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士、医師らに賛同を呼び掛けている。

来年度は歯科医師らに口腔がんに関する知識を再確認してもらう研修事業の開催も計画している。

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