参議院厚生労働委員会 漢方薬保険除外問題で論議

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11月29日の参議院厚生労働委員会では、漢方薬問題が論議された。

渡辺秀央参議院議員(公明党)は、事業の仕分けで保険から外すと結論付けられた漢方薬問題を取り上げ、政府の見解を質した。

薬価に関する事業仕分けのセッションで、漢方薬は街の薬局でも売られているので、保険から外すべきと財務省側が事業仕分けの論点を指摘(理由説明)した。

まず、財務省側は医薬品の先発品と後発品の薬価格差の是正を指摘した。

ついで、うがい薬、湿布薬、漢方薬など、街の薬局で売られている薬と保険薬との問題点を提示した。

特に保険薬については、高齢者の間で、かなりの飲み残しがあるとの実態を踏まえて、その関係資料を提示した。

「限られた保険財源であり、国民の保険料、税金をより有効に使って、公的医療保険制度を維持していくという観点から、どのようなやり方があるのか。市販もされ、かつ保険適用でもあるものに関して、だぶった状況のままでいいのか。それとも保険から外すべきなのかが論点としてあるのではないか、を論点として提示させていただいた次第である」とこの日の参議院厚生労働委員で、財務省は答弁した。

これに対して、泉健太・内閣府大臣政務官は、「私は、この漢方薬の仕分けの時には、参加していなかった。評価としては、1名からは漢方薬を保険から外すのは反対である、というご意見もあったが、最終的にはワーキンググループ全体としての評価は、後発品のある先発品の価格を見直すは全員。また、市販品に類似薬がある漢方薬については、11名が見直しをすると大勢を占めた。そこで、それを踏まえ評価とりまとめとしては、コメントの中にも書かれているが、保険外とする方向性として位置づけるが、どの範囲を保険適用外にするかは、今後の十分なる議論が必要である、という結論に至った」と経過を説明した。

また、足立信也厚生労働大臣政務官は、「私はこの時間、別のワーキンググループにいて、参加できなかったが、結論として、保険適用除外となったら患者の自己負担はどうなるのだろうか、という問題を厚生労働省として出した。そのことについては、慎重な議論が必要であろうと、厚生労働省側が発言したと私は聞いている」と答弁した。

これに足して、渡辺参議院議員は、「漢方薬は、多くの医師が処方し、患者さんの状況をみながら使用している。やはり西洋薬ではアレルギーがあるとか、ちょっときつ過ぎるとか、色々な状況で医療機関は処方している。それが、一般の街の薬局でも売られている、と保険から外し患者に自己負担を求めるのは問題であると思う。財務省は医療機関で処方され、患者さんも助かっている、という医療の現場を知っているのか、確りと考え状況を把握して意見を述べてもらいたいと思う。これは大変な反響を呼び、関係の医学会でも反対の声が挙がっている。厚生労働省としてどのように対応するのか。厚生労働省には絶対に反対してほしいが、大臣は如何か」と答弁を求めた。

長妻昭厚生労働大臣は、「保険適用の問題、あるいは診療報酬の問題については、色々とご指摘をしていただいている。これはかなり大きな問題で、仕組としては、社会保障審議会の部会で基本方針を決めて、中医協という枠組みもあり、その中で詳細な議論を行っているとことだ。そこの議論も通じて、こういう課題について十分に留意をしながら我々として検討していきたいと考えている。

今の論点だけでいうと、患者さんの負担が増える。あるいは医療のサービスの観点から色々な論点があると考えているので、我々としては確りと慎重に判断したいと考えている」と発言した。

また、渡辺参議院議員は、「よく現場の声を聞くことが大切だ。患者さんの声、あるいは医療機関についてよく調べていただいて、国民の声も聞いて対応していただきたいと思う」と期待した。

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