個別指導に関する「質問」で不服審査請求

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個別指導の現場で「個別指導への持参物は任意の協力」「指導結果に従うか否かも任意」と、行政指導の一般原則を認めさせたA歯科医師は2008年(平成20年)9月4日、送付されてきた個別指導結果に関する通知の内容について社会保険事務局長宛(当時)に質問状を提出していた。 しかし、半年以上経過しても回答がないことから2009年(平成21年)3月31日、行政不服審査法第7条に基づき厚生労働大臣に審査請求を提出した。  A歯科医師は、2008年(平成20年)8月末に送付されてきた「個別指導の実施結果について(通知)」に記載された個別指導実施年が誤っていること、さらに同「通知」と「指導結果通知書」の記載内容に矛盾があることから、その内容について説明を求めるとともに、公文書としての体裁を欠く同通知を訂正し再交付するよう求めていた。  さらにA歯科医師は質問状で、 ①健康保険法73条は、保険医療機関については「療養の給付」について、保険医については「診療」について厚生労働大臣の指導を受けることとしているにもかかわらず、保険局長通知「別添」に過ぎない「指導大綱」では、「診療報酬の請求に関する指導」も含めており、これは健康保険法73条に基づく指導の範囲を逸脱するものではないか、  ②さらに健康保険法73条2項に規定する「立会人」は、「診療又は調剤に関する学識経験者」とされており、このことからも同条1項に基づく保険医等への指導の範囲が「診療」及び「調剤」に関する内容に限られると解するのが妥当ではないか、  ③また指導大綱では、立会人に「指導時において意見を述べる機会を与えなければならない」としているが、その際、診療報酬の請求に関しては意見を述べる権限がないと解していいのかなど、健康保険法第73条に基づく指導の範囲などに関する質問への回答も求めていた。  社会保険事務局(現地方厚生局)の不作為に対して、行政不服審査法に基づく審査請求が提出されたことから、厚生労働大臣は「当該不作為庁に対しすみやかに申請に対するなんらかの行為をすべきことを命ずる」(51条3項)ことが求められ、回答の引き延ばしは許されなくなる。 行政不服審査法第1章 総 則第1条(この法律の趣旨) この法律は、行政庁の違法又は不当な処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、国民に対して広く行政庁に対する不服申立てのみちを開くことによって、簡易迅速な手続による国民の権利利益の救済を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。 第2条(定義) この法律にいう「処分」には、各本条に特別の定めがある場合を除くほか、公権力の行使に当たる事実上の行為で、人の収容、物の留置その他その内容が継続的性質を有するもの(以下「事実行為」という。)が含まれるものとする。2 この法律において「不作為」とは、行政庁が法令に基づく申請に対し、相当の期間内になんらかの処分その他公権力の行使に当たる行為をすべきにかかわらず、これをしないことをいう。 第7条(不作為についての不服申立て) 行政庁の不作為については、当該不作為に係る処分その他の行為を申請した者は、異議申立て又は当該不作為庁の直近上級行政庁に対する審査請求のいずれかをすることができる。ただし、不作為庁が主任の大臣又は宮内庁長官若しくは外局若しくはこれに置かれる庁の長であるときは、異議申立てのみをすることができる。
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