保険で良い歯科医療の実現をめざそう

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【決議】

政治の流れの変化に確信を持ち、国民と共に

保険で良い歯科医療の実現をめざそう

高齢社会を迎え、歯科医療が果たす役割はますます大きくなっている。健康な歯を維持することが生活の質を高めるだけでなく、残存歯数が医療費にも大きく関わってくる。歯周病が糖尿病を悪化させることなど口腔状態が全身疾患に大きな影響を及ぼすことが数多く報告されている。

この間、「8020」達成者は2割を超え、DMFTは特に14歳以下で減少した。口腔内の健康保持・増進という共通目標に立って、歯科関係者と国民が努力してきた結果である。

一方、マスコミが「ワーキングプア歯科医師」と報道するほど医院経営は困難を極めている。さらにレセプトオンライン化や保険医の指導強化が医療費削減に拍車を掛けようとしている。足元では、私立歯科大学の6割が募集定員割れを起こし、20代の歯科技工士の4人中3人が離職したり、海外技工問題もあり、歯科医療の提供体制が崩れようとしている。

また、国民は高額な保険料負担と窓口負担増で多くが医療費不安を抱え、受診抑制が深刻化している。根源にあるのは、社会保障費を切り捨ててきた政府の「構造改革」路線であり、長年にわたる異常なまでの歯科診療報酬抑制政策に他ならない。

しかし、政治の潮目は確実に変化している。社会保障費の毎年2200億円の削減方針は事実上崩壊しつつある。

後期高齢者医療制度は参議院で4野党提出の廃止法案が可決され、大阪府の4医療費助成制度改悪は阻止した。私たちの運動が社会保障改善を願う国民の運動と共鳴して、国や自治体を動かす新しい状況が生まれている。

社会保障の度重なる改悪や世界的不況で暮らしが圧迫される中、患者・国民から「保険でより良い歯科医療」への要求が高まっている。「保険で良い歯科医療の実現を目指す連絡会」の調査では8割が保険給付範囲の拡大を望んでいる。

危機的状況にある歯科医療を立て直すには、医療費総枠の大幅な拡大以外に根本的な解決はありえない。総選挙は、私たちが反対してきた医療費抑制政策の根源である「構造改革」をストップさせる好機である。協会は憲法9条と25条を発展させ、社会保障が充実する社会をめざす。

私たちは、患者負担軽減と診療報酬改善を両輪に据え、患者・国民と一体となって医療・社会保障拡充の世論を高める運動を強めていく。私たちは、歯科医療の重要性を国民との共通認識にし、医院の経営を守り、医療人としての誇りをもって歯科医療を提供するために、3800会員の力で国民と共に大きな潮流を巻き起こし、「保険で良い歯科医療」の実現に全力を尽くす。

2009年5月16日

大阪府歯科保険医協会 第45回通常評議員会

 

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