フッ化物洗口だけで日本一にはならない関係機関の連携

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12歳の虫歯 13年連続で最少 新潟

産経新聞 2013年6月19日(水)7時55分

 

地道な県民性+県・歯科医師会連携の成果

文部科学省による平成24年の学校保健統計調査で、県内の12歳児(中学1年)の虫歯数が1人平均0.6本となり、13年連続で日本一となった。全国平均は1.10本。

関係者は、地道な県民性と関係機関の連携がうまくいったことが理由としている。

 

12歳は永久歯が、ほぼ生えそろう年齢。

県健康対策課によると、昭和45年、全国に先駆け、虫歯予防のフッ化物洗口(水で薄めたフッ化ナトリウムでの1分間うがい)が弥彦村の小学校で始まった。

その後、市町村事業として広まり、56年から県は経費補助を行っている。

 

県内で昨年、フッ化物洗口を行った保育所・幼稚園や小学校は6割を超えた。給食後の歯磨きは中学で63.4%だったが、保育所・幼稚園95.7%、小学校94%ときわめて高い。

 

平成13年から県独自で学校と歯科医師会などの連携により、虫歯になりやすい子供に医療機関での受診を促してきた。

 

 さらに県は、20年に全国で初めて施行した「歯科保健推進条例」に基づき、県内全ての保育所、学校を対象とした歯科疾患実態調査を実施。県内の中学1年生2万1664人のうち、虫歯総本数は1万3373本で1人平均0.62本。

昭和55年は5.03本、平成7年3.01本と着実に減少。今回は昭和55年に比べ8分の1に減少した。

 

 県歯科医師会の稲富道知常務理事は日本一が続く背景として「地道に取り組む県民性」を挙げる。「子供たちは他県の親戚などに自慢してほしい。ただ、部活動や勉強で忙しくなり、歯磨きがおろそかになると困るので、モチベーションをいかに保つかが課題。成人後も年1.2回はプロにチェックしてもらう機会を設けてほしい」。

県歯科医師会の荒井節男理事は「フッ化物洗口だけで日本一にはならない。県と歯科医師会と新潟大学などの連携がうまくいったことが大きい」と指摘している。

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