シンポジウム「歯科医療再生をめざして〜なぜ、いま混合診療なのか〜」 9)

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東京歯科保険医協会第40回定期総会後に、記念シンポジウム「歯科医療再生をめざして〜なぜ、いま混合診療なのか〜」を開かれた。

コーディネーターは協会副会長の濱克弥理事(社会保険・学術部担当)が務め、松島良次会長、中川勝洋理事のほか、東京医科歯科大学大学院の川渕孝一教授が混合診療容認の見地からシンポジストとして参加した。

  濱 克弥副会長

川渕孝一先生から「低パフォーマンス」の話がでたが、「タイムスタディ調査をして技術評価していくべきだ」と地道な作業の積み重ねの必要性についても松島先生が言ってきているが、今の川渕先生の話はどうか。

 松島良次会長

実際、長く診療をやっているからそれで全て評価されるのか、という問題が現状としてある。

実際の治療を先生方が全て公開して出すような形にしないと難しいと思う。

何年診療をしてきたから治療がじょうず、5年以下はダメではかわいそうだ。

若い人たちも勉強をして一生懸命頑張っているわけなので、自分たちのやった治療の結果を想定していく、それはまた難しい問題もあると思うが、それくらいいかなければなかなか認めてもらえないのかと思うわけだ。

そうすれば患者さんも納得し、お金を払ってもいいよ言ってもらえるかどうかだ。

あとは結果として、どれくらい歯が長持ちしたとか、再治療をしないですむかを評価していかないといけないと思っている。

そうすると、我々の仕事がなくなってしまうとういう問題となるが、それは予防給付とし点数をつけていくて形をとっていくべきだと、個人的には思っている。

中川勝洋理事

先ほどスライドで見せた改定率で上がった部分が、補綴部門しかなかったということが如実に出ている。

失われた16年と言われている薬価差益を技術料に振り返る部分を医科と歯科で考えると、医科には技術料にどんどん振り替えた形となった。

その振り替え方が歯科ではない。

システムとか検査とかに振り替えられた部分があるので、ずっと医科には積み重ねがある。

ところが歯科の場合には、補綴物の点数を上げもらった。

これが一過性の増点にしかならないことが、データで見るとよく分かるわけだ。

結局、途中から日本歯科医師会は、補綴ではなく、「か初診」の状態で口腔の維持、管理をするというシステムの方へ要望を切り換えた。

結果的に、、「か初診」はその条件が非常に厳しかった。

医科のようにラフではなかった。

結局、その「か初診」の算定用件を緩和するために、あの日本歯科医師連盟の事件が起こり、まるで揺り戻しになってしまった。

この「か初診」は歯科医師側やろうとしたより、むしろ算定を拒否しようとした。

厚生労働省側が、「かかりつけ初診料」の条件づけをがあまりにも厳しくしてしたため、みんなが乗れなかった。

昭和51年厚生省歯科管理官通知に基づくスタイルで、このようにやると患者さんに説明し、患者さんがOKしたものについて、補綴治療に関した自由診療をするお願いをした。

これに賛同する方は、混合診療をやってみようとした。 20120706171018757をダウンロード

単なる材料が違うのではないのだ、これは技術なのだからが高いのだと言ってきた。

そのようなことや止めて、「材料差額に変えよう」というようなことを言っていった方いいのか。

クォリティーの評価をどうすべきかご意見を聞きたい。

中川理事

クォリティーのチェックは本当に難しいわけだ。

同行訪問ではないが、診療のチェックをしなければいいいけない。

病院の日本医療評価機構もあるが、これは医療機関の施設、設備とスタッフ構成の問題である。

将来的にはレセプト上のデータベース化した中で、あと5年、10年かかるか分からないが、クォリティーチェック的なものが積み重ねる可能性があるが、今の状態では無理だと思う。

材料差額という状態は、元々歯科の基本的な点数が高ければ材料差額で、それで十分だと思う。

だが、川渕先生が先ほどデータを出されてとおり、国際水準と比べると3分の1、5分の1という状態の中で材料差額をやるとしても無理がある。

2006年に協会がイギリス、ドイツに視察に行った。

ドイツにおける補綴は、定額補助金の制度が設けられている。

定額補助金は、技術料、材料料、技工代等のコストも含めて約50%が補助される。

材料、技術に基本的な制限はない。

これはなにを理解しているかにかかるわけだ。

我々がこうしたいと言っても、それを国民が納得する状態でないとなかなか難しい。

ましてやクォリティー部分をどうするかだ。

歯科衛生士に配置が12項目も増えてしまった。

病院の日本医療評価機構の基準のように、設備、スタッフということを国は第一義に考えているようだ。

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