コミュニケーションスキルを向上させる歯科実習用美人ロボット

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完成度99%の超リアルな美人患者ロボ

日本歯科大学附属病院とモリタ製作所が開発を進めている歯科実習用ロボット「シムロイド」。

痛いときの反応や口に器具が入ったまま話すときのしゃべり方などがリアルすぎて...。

「シムロイド」のチェアユニット部分と専用パソコンのソフトは(株)モリタ製作所が、歯ユニットと歯センサー部分は(株)ニッシンと(株)東京センサが担当。

そして人体部分の製作と制御は株式会社ココロが受け持っている。 

4年前の「2007国際ロボット展」で発表されたものと比べ、今年展示・デモが行われたシムロイドは大きく3点の改良がなされました。

1つは音声認識の精度が上がったことで、騒音が多い会場でもかなり正確に聞き取れていたようです。

2つ目は制御するコンピュータの使い勝手が向上したことで、キーボード入力からタッチパネル操作方式となりました。専門のオペレーターではなくても、自由に問題なく扱えるようになったのです。

そして、3つ目は口の周りの素材を変更したことです。

以前使われていたシリコンではあまり伸びないため、実際に歯を削れるほど引っ張ることができませんでした。

そこで、素材をシリコンから熱可塑性エラストマーに変更することにより、強く引っ張っても切れることがなくなったそうです。

※一般的な連続音声認識ではなく、事前に入力したフレーズを選択して音声入力を行うフレーズ方式を採用。単語単位で認識しているため、騒音環境下でも高い認識率の確保につなげている。

 

治療する歯は上下全部で4個所、第一大臼歯と呼ばれる奥歯のいちばん虫歯になりやすいところに光センサが埋め込まれています。

歯を削るタービンにはもともと口の中を照らすためのライトが付いており、歯を削り過ぎて表面が薄くなると光がセンサに届くため、シムロイドに「痛い」と言わせるよう設定されています。

歯は表面がエナメル質、その下が象牙質でできています。本来治療ではエナメル質部分を削る分には麻酔は使いません。

象牙質まで削る場合には麻酔をしているのが前提ですから「痛い」とは反応しません。

今回のデモでは麻酔があまり効いていないという状況設定になっていました。麻酔をしているどうかはコンピュータでバージョンを切り替えています。

なお、歯がきちんと正確に削れたかどうかを判断するために、削った歯を3Dデータで取り込み、削る前の歯と比較・分析する装置があり、その方法もすでに確立されているとのことです。

 

シムロイドの真骨頂は、学生が患者と接する態度を記録できることにあります。治療を行う際、患者の顔に寄りすぎたり話し方に特徴があったりするなど、指導医が学生に様々な癖を指摘しても「私はふだんそんな言い方はしませんから」などと否定されることが多いのだそうです。それを客観的に見せることによって、本人たちも納得し改善できるようになります。過去に自分が治療をしている動画と今の動画を同じ画面に配置して比較・検証できるソフトも入っていますから、患者への対応がだんだん良くなっていることを自分で実感できる利点もあります。

 

今後は多くの大学に製品として出荷していく予定で、海外も含めて患者への対応についての評価を統一できると予想されます。また、現在は日本語と英語のバージョンがありますが、フランス語やドイツ語等、多くの言語に対応していくことも考えているとのことです。

http://www.robonable.jp/column/2011/11/52furo.html

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