インビザライン矯正は2週間ごとにマウスピースの着け替えを怠らないことが大事

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TVで話題の"見えないマウスピース矯正"本当に欠点はない?

NEWS ポストセブン 2013年8月8日(木)07時05分

8月8日は、「歯並びの日」らしい。へぇ〜、知らなかった。歯並びというと見かけの面しか思い浮かばなかったけれど、歯を失う二大原因である虫歯と歯周病にも深い影響があるとか。なぜなら、歯並びが悪いと歯周病の原因となる歯垢がたまりやすくなるし、唾液のめぐりが悪くなり虫歯や歯周病のリスクも高まる...と、そんなことを知ったら、とたんに年々ずれが大きくなってきた下の歯並びが気になる30代独身女性記者のM。

 

でもワイヤー矯正は口の中が切れて痛いというから抵抗がある。

一方、テレビなどで最新歯科矯正と取り上げられて話題のインビザラインは、「透明だから装着していることを気づかれない」、「2週間ごとにマウスピースを着け替えるだけで手軽」、「歯を抜かなくていいし痛くない」など、いい面ばかりを耳にするが、果たして本当に高い治療に投資する価値はあるのか!? そこでマウスピース矯正で有名な"Dr.ドラゴン"こと『トルナーレデンタルクリニック』の龍信之助院長を直撃し、ズバリ"欠点"について問い詰めてみた。

 

 * * *

— 今話題のインビザラインですが、インターネットで検索すると"欠点"みたいなのもけっこう引っかかります。「歯がプラン通りに動かず計画が3か月もズレ込んだ」なんて声もありますが、実際どうなんですか?矯正治療は金額も大きいので不安です。

 

龍:インビザライン矯正は、マウスピースを着けていないと動かないので、毎日、毎食前に外して毎食後に着けなくてはいけません。そういう手間はありますが、着けていれば必ず動きますよ。患者さんがちゃんと1日20時間以上の装着を守ることと、2週間ごとにマウスピースの着け替えを怠らないことがいちばん大事です。しいていうなら、この点のみが欠点といえますね。ワイヤーの場合は、ドクターが管理して毎月の受診で着け替えますが、インビザラインの場合は、患者さんがご自身でしっかりと管理しなくてはいけませんから。でも逆に、毎月必ず受診せずに済むところはラクだという患者さんの声はありますね。

治療期間については、ワイヤーにせよマウスピースにせよ、最初の計画通りにいかないケースはあります。ですが、マウスピース矯正では当初の治療計画通りに歯が動いたかどうかを確認して、再度、設計図を作ることができるのは、逆に利点として考えられると思います。

 

— 価格はどうですか?ワイヤー矯正よりも高いのでは? 

龍:実際、ワイヤー矯正と比較するとマウスピース矯正の方が若干高いクリニックはあるかもしれませんが、歯の内側につけるワイヤー矯正より安いクリニックは多いと思います。100万円の治療は高いと思うかもしれませんが、歯磨きもしやすくなるし、歯を失うリスクを避けられるとしたら一生の価値があります。20才で矯正をして80才まで生きたとして、毎日3回食事をしたとすると、6万5700回の食事をします。そうすると、1回の食事あたり15円強で矯正ができることになります。おいしいものを一生食べるための投資としては決して高くはないと思いますよ。

 

— 「ワイヤー矯正の方が歯を移動する矯正力は弱く、2週間ごとに動かすインビザラインの方が移動の際の矯正力が強い上に歯列への作用は断続的」なんて解説も見かけました。 

龍:それは間違った認識ですね。着け替え時の痛みも、ワイヤー矯正の方が1か月ごとに一気に締めるので瞬間的な矯正力は強いといえます。ワイヤーからマウスピース矯正に乗り換えた患者さんもおっしゃっていますが、ワイヤーを締めるときの痛みやワイヤーで口の中を切って傷だらけ、口内炎だらけになる痛みに比べたら、マウスピースは着け替える際のちょっとした違和感の痛みのみで、はるかにいいという声をいただいていますよ。 

初診の段階で歯型の石膏模型を作って、その石膏模型でマウスピースを作るなんていう歯科医もいらっしゃるようですが、模型では作りませんし、コンピューターが最初に患者さんの"ゴールの歯並び"までを正確にシミュレーションして、マウスピースの型を作るというものです。新しい矯正のため、このように誤った認識を持つ歯科医もいますから、マウスピース矯正を行う際には、正しい認識と技術を持つ歯科選びも重要です。

— 機械が作るからといって、本当に間違いはないんですか?ちょっと不安があります。

龍:機械が作るという認識には少し誤解があると思います。インビザラインの場合、マウスピースの作成は全世界共通のシステムで行われていますので、全ての歯型や写真はアメリカで集約され、コンピューターグラフィックを作成し、それをもとにドクターが設計図をコンピューター上で作成します。つまり、設計図を描く作業はコンピューターで行いますが、設計をしているのは歯科医師です。そういう意味では逆に患者さんのご要望を再現することもできます。実際はドクターの経験やイマジネーションに左右されます。欠点といえば、アメリカに資料を提出してから実際に矯正スタートするまでには6週間程度かかってしまいます。ワイヤー矯正の場合この期間はかからないので、スタートは早いと思いますね。なのでその分の期間を短縮できるような設計や技術、経験を持つドクターを選ぶこともポイントだと思います。

 

— 全ての人に使えるわけではなく、顎関節症の人や虫歯を持つ人はNGなど治療できる症状が限られるという説もありますが? 

龍:ワイヤー矯正であれ、マウスピース矯正であれ、重度の歯周病や極めて高い虫歯のリスクを持つ人は、矯正することができない場合があります。マウスピースだからといって特定の症状が助長されることは考えにくいですね。顎関節症についても、多くの場合治療にマウスピースを使いますから、マウスピースを使うことが顎関節症を助長するケースは逆に少ないはずです。

 

— 食べかすが残ったままマウスピースをしてしまうと、虫歯のリスクがありますよね? 

龍:確かに、マウスピースは歯に接着させているわけではないので、マウスピースと歯のすき間に着色物や糖類、酸が長時間停滞すると虫歯になりやすくなります。ですから食べた後はしっかりと歯を磨く。そして飲み物を飲むときにはストローで飲む。そういう手間があるからこそ、歯磨きの頻度があがって虫歯になりづらくなりますし、逆に間食するのが面倒くさくなって痩せた、なんて声もありますよ(笑)。

 

— ワイヤー矯正と同じく、マウスピース矯正でも抜歯するという先生がいますが? 

龍:マウスピースでも抜歯をするケースはあります。しかし、既存の矯正方法では抜歯して歯の移動スペースを作ることが多かったのに対しマウスピース矯正の場合は抜歯するケースよりも、歯を削ってすき間を作って歯を移動させるケースが多いのです。といっても削るのは、歯と歯のすき間を最大で0.5mmです。

矯正以外の場合でも、たとえば虫歯が大きくなりすぎてしまった歯でも、可能なら抜歯を避けたいと思っているかたがほとんどですよね。そう考えると、健康な歯を抜かなくていいことの方がメリットは大きいのではないでしょうか?しかも、もともと隣接面は虫歯の好発部位です。虫歯という点で見ると、アメリカの論文でも、いまだに歯を削ったことで虫歯になりやすくなったという報告はありません。

 

 * * *

なるほど。全く欠点がないわけではないけれど、仕事の時間帯が不規則な私にとっては、"毎月必ず受診せずに済むところはラク"というのは魅力的だし、抜歯を避けられそうな点はホッとひと安心。あとは、ズボラな私が、20時間以上欠かさず装着できるかどうかが問題だ!

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