よく噛むことが、究極の健康法である

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第3回かながわお口の健康フォーラムから11月5日横浜関内ホールで開催

<主旨>

日本の平均寿命は、医学、医療の進歩、発展などから急速に伸び、現在では80歳を超える長寿大国となった。その一方で、単に寿命延伸だけでなく、寿命の質が問われるようになった。健康寿命の考え方が、近年、注目されるようになった。今回のフォーラムは、「めざせ すこやか長寿」をテーマに、クローズアップされだした『口腔機能の重要性』を通して、「元気で若々しく、介護を受けることなく、いかに人生をすこやかに、楽しく過ごせるか」につて、県民のみんなと一緒にそれぞれの立場で考えることを目的としている。

<サブテーマの趣旨>

〜笑顔で食べてメダリスト〜

ただ長生きするだけでは楽しくない。おしゃべりや食事、スポーツなどを楽しみ、喜びをかみしめながら生きること。いわゆる生活の質(QOL)を向上させ、健康寿命を高めることが大切。口や歯の健康が全身の健康と深く関係していることが明らかになってきた。口や歯の健康は楽しい生活を送るために、とても大切なものである。きちんと手入れされた美しい歯は、私たちの表情を豊かにし、笑顔にいっそうの輝きを与えてくれる。心身ともに健康で、ハツラツとした毎日を送り、人生のメダリストを目指そう。「食」もいとなみを通して、今一度「噛む」ことの大切さを改めて見直したい。

 主催者挨拶

<神奈川県歯科医師会 高橋紀樹会長>

多くの県民の皆様が会場に足を運んでいただいたことが、主催者の最大の喜びであり、感謝を申し上げたい。日本は世界に誇る長寿国とされるが、健康寿命と歯の寿命の差は5歳から6歳とされている。この差を限りなく縮めることが大切だ。そのためには、歯科医療と歯科保健の役割が期待される。結核などの感染症は、抗生物質剤やワクチンの開発で減少している。しかし、口の中の細菌によって、誤嚥性肺炎で亡くなっている高齢者は増えている。そこで、口腔の管理は特に高齢者にとっては重要である。アンチエイジンということが社会的に定着している。年を重ねても若さを保つために、ジョギングやウォーキングなどの効果が期待されているが、それ以上に効果があり、さらに全身疾患の予防につながる口腔の管理がある。健康であるということは、食べことであり、噛めることである。噛むことは食物の消化を助けることであるが、同時に全身の機能にも関わっている。生活習慣病をはじめとする多くの全身疾患の予防につながることは、科学的にも証明されている。噛むという刺激、感覚が脳の働きを活性化し、噛み合わせは姿勢や運動能力にも影響する。私たちの脳は、年とともに機能は老化し萎縮する。これは脳に起こる自然現象であるので、仕方がないことであるが、一つ注目できる事実がある。脳の中で、記憶をつかさどる海馬の細胞は鍛えれば増加する。ではどうやって鍛えるのか。それは噛むことだ。実際、噛めないことで記憶を失ったり、認知症の状態になった人が、義歯を入れて噛めるようになったら、記憶を取り戻したり、寝ていた人が歩けるようになったりした事実は、数多く報告されている。よく噛めること、よく噛むことは記憶力の向上、認知症の予防にもなる。がんの予防、ストレスの予防、視力の回復など、噛むことには多くの効用がある。これらも科学的に証明されている。よく噛んで、確り食事をして、人間が基本的に持っている生きる力を引き出すのが口腔の機能であり、歯科医療、歯科保健の大切な役割だ。よく噛めること、よく噛むことが、究極の健康法である、と神奈川県歯科医師会は認識している。健康の増進のために、まず歯科医院を訪れ歯科健診から始めていただくことを希望したい。多くの会員を抱えている歯科医師会は、県民の口腔の健康を守ることが公益法人としての使命と考えており、遠慮はく相談していただくことを希望している。

 

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