「ITIから学ぶインプラント治療の最新情報」 中)

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既報のとおり、学術大会「ITI Congress Japan 2012」(開催日:6/2-3)の開催に先がけ6月1日、「国際的非営利学術組織 ITIから学ぶインプラント治療の最新情報」と題して、東京・赤坂のNAインターコンチネンタルホテルの記者説明会が開かれた。

記者説明会には、学術大会のために来日したダニエル・ブーザー:ベルン大学口腔外科学教授(国際的非営利学術組織ITI(International Team for Implantology/スイス バーゼル、プレジデント:)や、ITIの国内外の主要メンバーが出席、それぞれの立場・専門領域からインプラント治療について解説した。

なお、ITIでは長年にわたり教育、研究支援に力を入れており、今回はグローバルでの取り組み、セクション ジャパンの活動や日本の状況に合わせた取り組み等、インプラント治療の最新情報を提供した。

<記者説明会出席者>

ダニエル・ブーザー(ITIプレジデント、ベルン大学口腔外科学教授)

ディヴィッド・コックラン(次期ITIプレジデント、テキサス大学ヘルスサイエンスセンター 歯周病学教授)

船越 栄次(ITI セクションジャパン チェアマン、九州大学歯学部臨床教授)

勝山 英明(ITI理事・教育監事、MMデンタルクリニック理事長)

塩田 真(ITI スタディクラブ コーディネーター、東京医科歯科大学准教授)

<ITIの活動などの紹介>

ダニエル・ブーザー(ITIプレジデント、ベルン大学口腔外科学教授)ITIプレジデントから以下説明がされた。

ITIプレジデントとして、ITIの様々な関係についてお話をする。

申しわけない、日本語が話せないことをお詫び申しあげる。

インプラント治療のクオリティーをエビデンスベースで教育を介して達成することがITIの目的だ。

まず、スイスの国についてご紹介したい。(省略)

私は1982年からベルン大学(スイス)の歯学部に勤務をしている。

ベルン大学歯学部では、インプラント歯科学をヨーロッパの大学の歯学部の中で確立した大学の一つだ。

ベルン大学歯学部はインプラント研究またインプラント治療を活発に行っている。

ベルン大学ではインプラント材料と前臨床の研究をしている。

また、臨床研究も行っていて、それらの治療で実際に患者さんでインプラントどう機能しているのか、あるいはどれくらいの合併症があるかなどを研究しながら治療し、教育をしている。

今、ベルン大学においては、インプラントで800名以上の患者さんの治療をしている。

ITIは32年以上の歴史があるが、最初は小さな組織であった。

1990年ころから大きくなりはじめた。

再編成を何回も重ね、成長に対応してきた。

4回ほど再編成を図ったが、その時の教授がITIのプレジデントを務めてきた。

この組織であるが、非常にプラスの成長を図り、27のセクションをもっている。

日本、東南アジア数か国にもある。

一般開業医を加えたことから、会員数は増えている。

船越先生からお話があったが、大きな成長を遂げてきた。

一般開業医の先生方は、インプラント治療のヒント、治療ガイドなどを得ている。

世界中のかなりの地域を27のセクションがカバーをしている。

ほとんどが先進国である、現在、途上国も加わってきている。

北米、南米、ヨーロッパ、アジア、東南アジアなどたくさんの国が加わっている。

少しシフトして、インプラント歯科学の進歩についてお話をしたい思う。

インプラント治療に私が関わって29年になる。

現在、ベルン大学の口腔外科学の主任教授をしている。

少なくともこの20年、大きな進歩があった。

治療のプロトコールが大きく向上をした。

それにより、成功率がはるかに改善し、審美的な治療の結果が大きく改善をしている。

また、治療期間も短縮されている。

明日のコングレスでの大きなトピックスになる。

患者さんにとってもインプラント治療が魅力的なものとなっている。

また、患者さんの術後の痛みを軽減すること、さらに合併症も軽減している。

この10年間、インプラントの質も大きく改善してきた。

非常にエビデンスベースで、前臨床、臨床研究からのデータに基づいたインプラントが、多く登場している。

インプラントの材質、寸法、表面も良くなっている。

すべて研究に基づいた結果だ。

現代のインプラントを使って、最新の治療のプロトコールを適用により、成功率の高いインプラント治療を達成している。

これらは何千という研究によって支持されて論文として発表されている。

10年以上のインプラント治療の成功も多くの大学から発表されている。

これらを見ると、近年のインプラント治療の成功率は95%をはるかに超えている。

これを従来の歯科治療、固定性あるいか 可撤性の補綴物と比べるとはるかに高い成功率だ。

例えば従来のクラウンやブリッジと比べるとインプラント治療の成功率ははるかに高い。

インプラント治療はもう日常臨床では一般的になっている。

特に日本、北米、ヨーロッパ、オーストラリアではそうなっている。

また、他の国問えば、中国には私は5年前から知っているが、インプラント治療を発展させている。

インプラント表面性情についての研究では、1990年後半に8年間の前臨床の研究に基づき開発されたものであるが(スライドで写す))、インプラント表面の技術でパラダイムシフトが起こった。

これらの研究は2000年代の初期に始まり、2010年にベルン大学から10年の研究として、国際的なジャーナルに論文が発表されている。

それらはインプラントの生存率、治療の成功率として発表されている。

何本のインプラントが骨の中に残っていて、補綴物を維持しているかだ。

インプラント治療の成功率とは、術後痛みを起こさない、感染も起こさないなどのはっきりとした基準がある。

それを満たしたものだ。

10年までの研究はすべて成功率が95%を超えている。

97〜99%になっている。

これらがオリジナルな論文として発表されている。

私も多くの臨床に関わってきた。

300名以上を手術をし、500本以上が10年前、それ以上前にインプラントが埋められたものだ。

511本のインプラントを対象として、失敗をしたのは6本だけだ。

9本が合併症、インプラントの周囲炎が起こった。

15年後、20年後の成功率、生存率も発表する予定だ。

他の大学からを5つほど同じような研究が発表されている。

スウェーデン、アメリカの結果も確認している。

インプラント治療の結果に与える影響は、5年前にITIの治療ガイドに入れたファクターであるが、まずは臨床医が治療のファクターだ。

もちろん患者さんもそうだ。

患者さんに特に高いリスクファクターがあるとインプラント治療は、成功しないわけだ。

また、生体材料としてのインプラントの質も重要だ。

100社以上がインプラントのコピーを作っているが、それらか臨床研究に基づいていない。

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