「歯科口腔保健法」をより実効あるものにするため努力

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新年のごあいさつ

日本歯科医師連盟 高木幹正会長

会員の付託に応えて(要旨)

 明けましておめでとうございます。

 昨年はわが国そして歯科界にとりましても大変な年でありました。

3月11日、東北を中心に未曾有の大惨事をもたらした東日本大震災は、多くの人命と財産を一瞬にして喪失せしめ、幾万の人々を悲しみの淵に沈めたばかりか、原発事故により惹起された事態は多くの人々に長期間にわたる苦痛を強いることとなっています。

会員の先生方も例外ではなく、ご家族を亡くし、また診療所、ご自宅が倒壊・流失した方々も数多くおられたことは極めて残念で悲しいことでありました。

  

このような中で、8月には歯科界の念願でありました「歯科口腔保健の推進に関する法律」(歯科口腔保健法)が成立いたしました。

特にご尽力いただいた組織代表はじめ歯科関係の国会議員の方々には心からお礼を申し上げます。

そして、厚生労働省に歯科口腔保健推進室、歯科口腔保健の推進に関する専門委員会が設けられました。

私どもとしては、この「歯科口腔保健法」をより実効あるものにするため努力を傾注することは勿論のこと、関係方面との連携も必要であると考えております。 

 また、本年は診療報酬と介護報酬の同時改定の年であり、これへの戦略的取り組みは大変重要であることは言を待ちません。

前回の改定で歯科は+2.09を得ましたが、会員の先生方にとってはその実感がなく、実質的プラスの改定が切に望まれ、本連盟としても日歯と連携して政府・関係省庁及び関係議員をはじめとして各方面に働きかけを行っています。

わが国の医療費全体に占める歯科医療費の割合は、1980年代には二桁あったものがそれ以降下がり続け、今や7.1%(2009年)まで落ち込んでしまっています。

これの回復は厳しい歯科界の現状を打開し、ひいては責任ある国民歯科医療を提供することに繋がるため、必ず成し遂げなければならない課題であります。

 昨年6月に出された『社会保障・税一体改革成案』における受診時定額負担や70〜74歳の窓口負担の引き上げ等更なる負担を国民(患者)に強いる諸施策については、基本的に反対であることは勿論であります。

そもそも我々は医療そのものについては提供のあり方も含めて法・制度等の議論には参加するが、それに関る財源確保については政府が考えるべきであろうと考えます。

 このほか指導・監査についても、患者にとって不利益になりかねない、また診療現場の実態にそぐわない、そして歯科医師の裁量権を侵害するような不適切な指導は厳に慎まれるべきで、歯科医療提供の環境改善に強い決意と積極的意志を持って本年も臨んでまいりたい。 

 現執行部は当初より日本歯科医師会と目的・政策を共有し、役割分担をする中で政策実現へ向けての実動部隊として、国民の歯科医療を守り、会員の生活を守り、そして業権確保のため政治活動を行っております。 

 特に、重要政策として、ロビー活動に力を注ぎ、政策決定に関る政府・政党の主要メンバーへの説明と折衝は役員一丸となって活動しております。 

 

 日歯の政策実現のためにわれわれの代弁者である組織代表国会議員を中心に、歯科医師である国会議員や地方議員・首長等にいわゆる歯科医療党的な理念を念頭に国政・県政等のそれぞれのフィールドで活動してもらうため、日歯連盟とより有機的な連携を図る。

日歯連盟の活動を会員の皆様方に広報すると共に、歯科医療政策を世論に訴え、国民と同じ目線で国に主張できるよう、一般マスメディアも巻き込んだ政策誘導的な広報活動にも取り組む。

これらの他にも多くの事柄がありますが、どれも日歯との有機的な連携のもとで進めていかなければならないものばかりであります。

 

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