「怖い場所」と思われがちな歯科医院がイメージチェンジ

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歯科医院の挑戦 アニメ、おもちゃ...「怖くない」取り組み

産経新聞 2013年10月10日(木)9時30分

 

「スマイルタッチ デンタル」(中央上)でアニメを見ながら治療を受ける女の子=東京都大田区の島田歯科医院(竹岡伸晃撮影)(写真:産経新聞)

 

子供たちに「怖い場所」と思われがちな歯科医院がイメージチェンジに取り組んでいる。治療中にアニメの動画を流したり室内をカラフルに彩ったりするなど、「楽しくて通いたくなる場所」とすることで恐怖心を取り除き、定期的な来院やスムーズな治療に結びつけようとする試みだ。(竹岡伸晃)

 

◆人気シリーズ72話

母親に連れられ、歯の矯正治療を受けるために島田歯科医院(東京都大田区)を訪れた女の子(8)。治療チェアに座ると、手慣れた様子で目の前の端末に触れ、アニメを見始めた。数十分間の治療中、女の子はアニメに集中し、おとなしく口を開けていた。

 

同医院は5月、アニメ制作会社「トムス・エンタテインメント」(中野区)が開発した歯科医院向けタブレット端末「スマイルタッチ デンタル」を3台導入した。同端末は専用アームで治療チェアに取り付けることができ、アームの角度を調整することで椅子を倒した状態でも映像の視聴が可能だ。

 

映像は「それいけ!アンパンマン」や「名探偵コナン」などの人気アニメシリーズ72話。治療の流れや器具などを説明するオリジナルアニメも用意されている。

 

開発を担当した同社の二宮秀太課長は「大好きなアニメがあれば不安や恐怖も和らぐはず」と説明。同医院の島田昌也院長も「子供たちが楽しく過ごせる医院を目指しており、端末導入もその一環。スムーズに治療に入れるようになった」と効果を話す。

 

◆まるで遊園地

0〜12歳児が対象の白金こどものはいしゃさん(港区)も目指すのは「子供が楽しく通える」歯科医院だ。院内に1歩入ると、目に飛び込んでくるのは、ハロウィーンの飾り付けがされ、ぬいぐるみがぶら下がった大きなおもちゃの木。椅子などの調度品もカラフルで、まるで遊園地だ。治療スペースもピンクや緑、青、オレンジの各色で鮮やかに彩られ、壁にはディズニーキャラクターのポスターが貼られている。

 

園延(そのべ)妙子院長は「虫歯予防のためには、乳歯が生え始める1歳前後から定期的に来てもらうことが重要。そのため、楽しくなるような雰囲気づくりを心掛けている」と力を込める。同医院では子供や親に、より丁寧に対応するため、受付に保育士や幼稚園教諭の資格所有者を配置している。

 

手作りのプレゼントなどで子供の心をつかむ動きもある。上本町ヒルズ歯科クリニック(大阪市天王寺区)が行っている「カムカムクラブ」がそれだ。

 

0〜12歳児が対象で、子供の写真入りの「健康ノート」に来院するごとにスタンプを1つ押し、検診で虫歯が見つからなければ、さらに1つ押す。スタンプが5個で缶バッジを、10個で本人の写真入りカレンダーをプレゼントする。健康ノートには治療や検診の結果や歯の状態などが記録されている。

 

「虫歯を予防するには定期的な来院が必要。子供たちが通いたくなる仕掛けとしてカムカムクラブを始めた」と永井美也子院長。これまでに約2千人の子供が参加しているという。

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