虫歯:震災影響?幼児増 沿岸南部で開業医が多数被災 /岩手
毎日新聞 2013年8月28日 地方版
東日本大震災で多くの歯科開業医が被災した沿岸南部で、虫歯になる幼児が増加していることが27日、県のまとめで分かった。
医師の減少で予防処置を受けにくくなったうえ、避難生活でつい甘い物を食べたり、歯磨きが十分にできなかったりしたことが理由と見られる。
岩手県歯科医師会の三善(みよし)潤常務理事は「1歳半は授乳から固形食に移る大事な時期。虫歯で十分にそしゃくできないと成長に影響を与えかねない」と注意を呼び掛けている。
県健康国保課が母子保健法に基づく歯科検診で、1歳半の幼児の虫歯の増減を震災前の2009年度と震災後の2011年度で比べた。
内陸21市町村は0.5ポイント減の2.1%、沿岸北部6市町村は1.1ポイント減の4.8%だった。
一方、沿岸南部6市町は1.0ポイント増の4.0%。特に大船渡市、陸前高田市、住田町の大船渡保健所管内では4.84ポイント増の6.98%と、他9保健所管内に比べて突出した。
震災前では、沿岸12市町村にあった歯科開業医109のうち60が被災し、診療を中止。沿岸南部は57を占めた。
今年6月1日現在で45が再開したが、それまで被災者が虫歯に気を配らなくなったとも考えられる。
県健康国保課の森谷俊樹医務主幹は「震災直後から避難所での巡回治療、その後は仮設住宅などでの保健活動を続けている。
今後も動向を注意深く見て着実に対策を進めたい」と話した。
(金寿英)
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