通販でも人気 いびき防止マウスピースは「医療用」とどこが違う?

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日刊ゲンダイ 2013年9月18日(水)10時26分

 

無呼吸症候群も怖い/(C)日刊ゲンダイ

マウスピースといえば、ボクシングやラグビーなどのスポーツ選手が口の中を傷つけないために使うイメージがある。しかし、04年以降、睡眠時無呼吸症候群の治療法として「マウスピース療法」が保険適用となっている。ドラッグストアやインターネット通販などで数百円からいびき防止用マウスピースも売られているが、医療機関で作るものとどう違うのか?

 

「雑貨として売られているマウスピースも決して症状を悪化させるものではありません。しかし、自分で加工して作るので合わなかったり、合っているのかどうかがわからずに途中で使うのをやめてしまうケースが多いんです」こう言うのはマウスピース製作を年間約500件扱う「しのだ歯科医院」(東京・文京区)の篠田圭生院長だ。

 

睡眠時無呼吸症候群を簡単にいうと、10秒以上の呼吸停止が1時間に5回以上あることを指し、5〜15回なら軽症、15〜30回が中等症、30回以上は重症とされ、外科的な手術でも完治が難しい病気。「マウスピース療法」は毎日の装着が基本だ。

 

「寝ているときは、筋肉が緩み、下顎が重力で下がることで舌も奥に下がり、気道が狭くなります。マウスピースを装着して寝ることで、気道が広がり呼吸しやすくなります」(篠田院長)

マウスピースを装着して寝ると、装着しないときに比べて無呼吸回数が半分以下になるケースが多い。度合いは人によって異なるが効果は確実だという。

 

「スポーツ用マウスピースとの大きな違いは、舌が喉奥に下がりにくいように下顎をやや前に出し受け口ぎみに作ること。歯の減り具合や無呼吸の度合い、患者さんの感覚を考慮して厚みや顎の出し加減の微妙な調整をします」(篠田院長)

同院では、内科等の紹介状があれば約1万1000円(3割負担)〜。自費だと2万4000円〜。最速だと診察から歯型作りも含めて1時間30分ほどで持ち帰りOKだ。

ただ、マウスピースをすると口呼吸がしにくいため、鼻づまりの人は耳鼻科からのアプローチが必要になるだろう。

 

睡眠時無呼吸症候群の治療を年間1000件以上手掛ける耳鼻咽喉科の「慶友銀座クリニック」(東京・中央区)大場俊彦院長が言う。

「当院では耳鼻科、呼吸器内科、神経内科、消化器内科、歯科の医師がいるので、単にマウスピースを作るだけでなく、耳鼻科的な処置や太っていびきをかきやすい人には減量指導など、各専門医が連携することで治療の効率を上げています」

同院では、問診と診察の後、自分で無呼吸回数を調べる自宅検査キットを予約し、後日結果が出たら歯型を取る。仮マウスピースができるまでは約10日間。それを2〜3週間試した後、来院し微調整を行うため、完成まで1カ月半程度かかる。

 

ちなみに睡眠時無呼吸症候群は中等症以上になると鼻にマスクを着け、機械の力で空気を送り込むシーパップ療法が保険適用。この療法の有効性は高いが、毎月5000円前後の管理料(3割負担)がかかるうえ、ベルトで頭に固定する煩わしさがあるためマウスピースを使用する人は多い。

安価で合わない自作品より、少々高くても実績のある医療機関で作ったほうが長続きするはずだ。

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