第6回「歯科と健康」フォーラム 第二部(中)

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東京歯科保険医協会の第6回「歯科と健康」フォーラムが11月28日、飯田橋のレインボービル7階で開かれた。

多数の一般の人たちが参加して、「若さのヒミツ?口にあり」—唾液とアンチエイジング—をテーマとしたシンポジウムに熱心に聞き入った。

   

第2部・シンポジウム

  

シンポジスト斉藤一郎さん(鶴見大学歯学部教授/ 同大学歯学部附属病院長)  

ドライマウスとアンチエイジングのお話

  

斉藤一郎教授

 

 歯科医師の仕事は硬い歯だけではなく、口のなか全部です。

歯を支えている骨、歯ぐき、舌、粘膜、唾液などが我々の仕事です。

お口の健康を維持して、全身の老化を防ぎましょうという話を、これからさせていただきます。

老化するのは目や歯です。

血管も老化します。

誰でも年をとれば100%老眼になります。

口もむし歯になったり、歯周病になって歯が失われます。

また、昔美味しいなと思ったものが、美味しくなくなる味覚障害もあります。

あるいは口臭がきつくなったり、口が渇いたりします。

このため、自分は年をとったなと自覚をされる方が多くなります。

年齢の齢は歯と書きますが、昔は口にトラブルがあると年をとったと思うのですが、口の中にトラブルがあると全身に、心臓や腎臓などにトラブルがあると言われています。

口の役割は、食べる、話す、笑う、味わう、噛み砕く、飲み込むなどです。

しかし、口に障害があると、食べられない、話せない、笑えない、味わえない、噛み砕けない、飲み込めないなどのトラブルから、毎日の生活が楽しくなくなります。

生活の質、QOLの障害となります。

人生の最後まで、口の機能を維持したいのですが、年をとれば色々の機能が低下します。

筋力も落ち、感覚の機能も低下します。

人間には色々な欲望があるのですが、年をとると色々な欲望がなくなってきます。

ですが、人生の最後まで維持したい欲望は、食欲なのですね。

アンケートをとると、食欲があって美味しく食べることが一番多いのですが、そのためにか口の機能が大事になります。

体力は段々衰えていきますが、生活の質を維持し、享受するためには口の機能はとても大事ですというお話をこれからさせていただきます。

日本は女性が長寿1位、男性は5位で、世界で一番健康な人が多い国と言っていいと思います。

日本の文化、伝統は素晴らしいのですが、残念ながら日本の100歳と欧米の100歳と比べると、日本の100歳は死なない程度に生きている人が多くて、これは困ったなと思います。

自分の人生は、誰も介護を受けず、自分のことは自分でできて、自分の人生を享受できる100歳がいなければならないのですね。

アンチエイジング医学は、ピンピンコロリの話が出ましたが、家族が朝起こしに行ったら冷たくなっていた、こういうのが一番理想的なわけです。

このような100歳になるためには、どうしたらいいかです。

アンチは抵抗する、抗うことです。

エイジングは老化ということです。

これを肌に塗ると10歳若返るとか、これを飲むと若返ると言うのは、ほとんどウソです。

あんなもの飲んでも効かない、という話をこれからするのですが、人の弱みに付け込んで宣伝をしています。

飲んで本当に若返るのか、科学的に検証されていないものが多いので、ご自分で取捨選択するために、お勉強し、その情報を毎日の生活に反映していただきたい、というお願いです。

我々医療従事者は、正しい医療情報を一般の方々に発信する責任があると思っています。

これから話すことが、医学的に、科学的に検証されている事実です。

サプリメントについては、疑いの目を持って毎日の生活に取り入れていただきたいと思います。

スライドの写真は、一卵性双生児です。

一卵性双生児は、誤解を恐れずに言うとクローン人間です。

遺伝子がまったく同じです。

ところが同じ姉妹でありながら、左の顔は年をとって見えますね。

元々一個の受精卵から生まれたので、遺伝子は同じです。

そこで、同じ老化するのなら、同じように老化をするはずですが、左が年をとって、右はさほどでもありません。

老化とは環境要因、環境因子、どのようなライフスタイルであったのかで、老化度は決まります。

遺伝が関与するのは2割で、残りの8割は環境によるものです。

食事、運動、生活要因などが老化を規定しています。

例えば、鈴木家はおじいさんが長生きで、おとうさんが長生きで、子どもも長生きだと、鈴木家は長寿の家系だと思われます。

一方、佐藤さんの家は、おじいさんも早く死んでしまったし、おとうさんも早く死んだので、孫も若くして死ぬだろうと思われてしまう。

この考えは改めてほしいと思います。

三浦雄一郎さんの一家ですが、99歳の父敬三さん、長男雄大さんと親子3代でフランス・モンブラン氷河の滑降 に成功しました。

息子の雄一郎さんは70歳で世界最高峰のエベレスト(中国名チョモランマ、8850メートル)に 登って最高齢登頂記録を塗り替えました。

そこで、我々は研究をしましたが、普通の人と変わりませんでした。

三浦家では、こういうものは食べない、こういいものはよく食べる。

こういう運動もする、そのようなことが大事なことです。

敬三さんの話を聞き、感動したのですが、80歳の時に、口の中がネバネバしたと言うのです。

長寿の方は、自分で健康法を編み出してしまうのですね。

どうしたかと言うと、舌を口の前に出して、100回くらいグルグル回したのです。

そうすると、唾液がいっぱい出てきて、口の中がスッキリして気持ちよくなったと言っていました。

まさに、我々が患者さんお願いしている口腔筋機能療法です。

口のトレーニングをすることで、摂食嚥下機能、食べ物を飲み込む機能が向上することが科学的に証明されています。

75歳以下の死因の第1位はがんですが、75歳以上の死因の第1位の原因は誤嚥性の肺炎です。

口の中の雑菌が増えて、肺に入ってしまうのです。

ちゃんと唾液を飲み込めれば、胃に入り胃酸で菌は死ぬのですが、誤って飲み込んで、菌が肺に入ってしまいます。

飲み込んだ唾液が、肺に入らないようにする機能が衰えているのです。

口の中の菌が肺に入り亡くなっていく人は、75歳以上では死因の第1になっています。

三浦敬三さんは、口の中がネバネバして気持悪いと言っていたのは、国の中の菌が増えていたのです。

それを改善するために、毎日、舌をグルグル回し、口の筋肉のトレーニングをしていたところ、唾液が出てきて、さっぱりしたのですが、唾液の中には菌を殺す成分が含まれていて、口の菌を洗い流していました。

ですから100歳まで生きたのは、肺炎にならなかったと言えると思います。

双子の姉妹の左側は、タバコを吸っていたのです。

タバコといったたった一つの危険因子だけで、老化してしまったのです。

老化とは、体をサビさせていることです。

健康長寿というのは、意思と知識をもってはじめて手に入れられるものです。

酸化ストレスが老化の原因です。

激しく運動をすると、体は酸化するそうです。

アスリートの方々は、坑酸化を多く採り入れる必要があります。

緑黄野菜をたくさん食べましょうと言うのは、筋肉トレーニングをすると、酸化物質が体内に生じて、体が錆びてしまうからです。

タバコ、排気ガスを吸うと体は酸化します。

多量の飲酒、紫外線、オゾン層が破壊され、有害な紫外線が体を酸化させます。

外では帽子を被って運動する必要があります。

自殺者が年間3万人ですが、自殺者はその日の自殺行為で亡くなった方の数で、次の日に亡くなれば、3万人にカウントされませんから、そういう方を含めると10万人と言われています。

先進国でこれだけ自殺をする国は他にありません。

日本は本当に人を幸せにする国ではないのではないか。

勤勉、実直な国民だということから、自殺者が多い国となるのですが、精神的なストレスを受ける人が多い。

また、残留農薬も体を酸化させています。

リンゴも切った時は、サクサクして美味しいのですが、冷蔵庫に入れておいても錆びていく。

リンゴがギニャとなって美味しくなくなるのですが、これも酸化ストレスです。

自転車も錆びを放置しておくと、最後はチェーンも切れて乗れなくなります。

錆びは老化であり、老化が進んだ状態が病気です。

つまり錆びついている時に、どれくらい錆びを取り除くことができるかです。

(以下、錆びを取り除く話をした)

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