歯科用水銀合金の使用を削減 世界規模の水銀規制

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<水俣条約が採択>世界規模の水銀規制 日本 法整備に着手

毎日新聞 2013年10月10日(木)12時43分

 

「水銀に関する水俣条約」採択に向け始まった会議=熊本市内のホテルで2013年10月10日、三村政司撮影

 

世界規模で水銀の使用や輸出入を規制する「水俣条約」は10日、熊本市で開催中の外交会議で採択された。条約の発効には、50カ国以上の批准が必要。日本では現在、回収された水銀の大半は輸出されており、環境省は水銀を廃棄物として指定するなどの法整備に着手、早期批准を目指す。

会議には約140カ国の首相や閣僚級を含む約1000人が出席。採択に先立ち、会議を主催する国連環境計画(UNEP)のシュタイナー事務局長は、水俣病の歴史に触れながら「水銀の影響を知りながら使い続けた長い旅を終わらせ行動をとるときが来た」と各国に早期批准を呼びかけた。条約名は、水俣病の悲劇を繰り返さないとの決意を込めて、日本政府が提案。前文に「水俣病の教訓」という言葉が盛り込まれた。 

条約は、水銀による健康被害や環境汚染を防ぐため、水銀鉱山の新たな開発を禁じ、既存の鉱山も発効後15年以内に採掘を禁止。また、体温計や血圧計、電池や蛍光灯など9種類の水銀含有製品も2020年までに製造や輸出入を禁止する。輸出が認められる製品でも、事前に輸入国の同意書が必要となる。

 

一方、東南アジアや南米、アフリカ南部の貧困地区で続く小規模金採掘での水銀使用は、大気中への最大の放出源となっているが「実行可能なら廃絶する」と、完全には禁止されなかった。また、公害への被害補償や環境浄化の義務規定が盛り込まれないなど課題も残した。

 

日本では水俣病をきっかけに水銀の利用量が激減した。現在は、亜鉛や銅などの金属製錬で出た汚泥や、使用済み蛍光灯などから年間約90トンの水銀が回収され、うち国内利用分を差し引いた84トン(12年度)が輸出されている。条約が発効すれば、輸出規制に加え、海外需要も大幅に減る見込み。このため、輸出できない余剰水銀を国内で長期的に管理することを迫られる。

環境省は安定的な保管方法や費用負担の仕組みなどを検討した上で、15年度中に廃棄物処理法施行令を改正、水銀を廃棄物として指定する方針だ。

 

条約の発効時期についてシュタイナー事務局長は「50カ国の批准を2〜3年で集めることは難しくない」との見通しを示した。大気への排出量が多い中国やインドなどがいつ批准するかが今後の焦点となる。

【阿部周一、松田栄二郎】

 

◇水俣条約骨子 

・化粧品や血圧計など水銀を含む9種類の製品の製造や輸出入を2020年までに禁止 

・輸出が認められた製品でも、輸入国の事前の書面同意が必要 

・歯科用水銀合金の使用を削減 

・小規模金採掘は使用を削減。可能なら廃絶 

・新規水銀鉱山の開発禁止。既存鉱山からの産出は発効から15年以内に禁止 

・石炭火力発電所からの水銀排出を削減 

・50カ国が批准してから90日後に発効

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