2013年09月26日 09:57
大分県歯科技術専門学校(別府市)の呼び掛けで、九州地区の歯科技工士養成機関8施設が教育面での連携に動きだした。各学校が得意分野を生かした特別セミナーを実施し、学生たちが自由に受講できる枠組みづくりを進める。
全国的にも珍しい取り組みといい、将来的には学校の枠を超えた単位交換も目指す。
歯科技工の先進医療分野では指導者や設備の関係で学校ごとに得意分野が分かれており、九州全体で質の高い歯科技工士の育成に取り組む。
大分県歯科技術専門学校が8月末に初めて開いたセミナーには、熊本県内の専門学校の学生10人が参加した。
マウスガードなどの口腔(こうくう)内装具について研究する野見山和貴教授らが指導。座学と実験を通して、マウスガードの装着効果や製作法などを学んだ。
参加した学生は「学校では普段扱わない内容を勉強できて良かった」「マウスガードは今後ますます注目される分野。歯科技工士としての夢が広がった」といった感想を寄せた。同時期には佐賀県内の学校がセラミック製の歯の新しい作り方をテーマにセミナーを開き、10人が参加した。
歯科技工士が活躍する歯科医院や技工所では、技術や装置の進歩が進み、学校で教えるよう定めている範囲以上の知識、技術を求められることが増えているという。
セミナーでは現場の実情に合わせ、各校で先端医療を中心とした内容を学ぶ。国家試験への合格を目指すだけでなく、技工士としての質向上を図る。
野見山教授は「技工士の技術が向上すれば、離職率低下にも効果があると思う。各学校の"強み"を生かし、取り組みを発展させたい」としている。
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