歯科医師国家試験10年間で延べ不合格者8149人

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歯科医療の質の担保と安全の保持が困難

  

東京歯科保険医協会主催の「歯科医師の需給問題をどうする?」これからの歯科医療を考えるシンポジウムが4月18日、東京・千代田区平河町の砂防会館別館で開かれた。コーディネーターは医療ジャーナリストの田辺功さん(元朝日新聞社編集委員・医学、医療担当)が務めた。

南條芳久理事基調報告についで、各シンポジストの衆参国会議員の発言があった。

また、歯科医師である川口浩衆議院議員が会場から発言をした。

今回のシンポジウムで注目されたのは、会場からの発言で、各国会議員も「参考になった」と前向きに受けとめていた。

歯科医師の需給問題をマイナスの視点で論じるのか、あるいはプラスの視点で論じるかで課題は違ってくることを印象つけた。

なお、司会は森元主税副会長が務めた。

概要を3回に分けて記すこととした。

<中川勝洋会長の挨拶>

シンポジウムを開いた一番の理由は、協会では1年半ほど前から理事会の中で学習会をしながら21世紀にふさわしい歯科医療はこうあるべきではないか、という提言を色々な分野で検討してきている。

今年の総会までには、それを発表したい。

特に歯科医師の需給問題が非常に大事な部分であることを認識しているので、今回このような企画をさせていただいた。

今までは、歯科医療界の中だけで論議をしてきたが、シンポジウムでは歯科医師の国会議員、医師の国会議員、一般の方の国会議員をシンポジストとしてお招きをした。

我々、歯科界で論議されていることが、妥当であるのかを含めて論議をしていただきたい。

サゼッションをいただき、その提言の中から少しずつ整合性のあるものを組み立てていきたい、それが一番のシンポジウムの意図である。

これが次の機会につながっていけばいいと考えている。

<南條芳久理事基調報告>

歯科医師供給過剰の中で起きていることは何か。

以下の3点である。

1)     歯科医師の「生きがい」を奪う重い現実。

2)     歯科大学・歯学部志願者の「激減」と「学力低下」。

3)     現場の「安全の向上」と「医療水準維持」の困難。

当協会のアンケートでは、歯科医師という仕事に生きがいを感じていますかの設問で、1983年約7割が「生きがい」を感じているとしていたが、2009年では約5割に減少しており、「生きがい」を失う歯科医師が急増している。

また、子どもを歯科医師にしたくないは1983年17%であったものが、2009年には40.4%と急増している。

開業も減っているが、廃業が急増しており、2008年には戦後初めて19の歯科施設の減少となった。

歯学部志願者の「激減」と「学力低下」で、私立歯科大学・歯学部の6割が定員われとなっている。

偏差値が急激な低下である。

(偏差値50以下は、日本歯科大学・新潟生命歯学部、岩手医科大学歯学部、日本大学松戸歯学部、神奈川歯科大学、鶴見大学歯学部、北海道医療大学歯学部、松本歯科大学、奥羽大学歯学部:2010年度の代々木ゼミナール・データによる)

私立歯科大学・歯学部受験者の学力が低下している。

まら、歯科医師国家試験の合格率の低下がすすみ、ドロップアウトが増加している。

2006年8月に歯科医師国家の「合格基準見直し」が文部科学大臣と厚生労働大臣により合意された。

2001年から2010年埋入での10年間で、不合格者の延べ数は8149人にのぼる。

この中には、再受験で合格した者や現在でも歯科医師国家試験に挑戦していると思われる。

だが、不合格者のかなりの部分は歯科医師になることをあきらめたと推測される。

歯科医師国家試験の厳格化が起きている。

国の政策は入口と出口を絞るとしているが、実際は歯科医師国家試験(出口)のみを強化している。

このような、大量の国試浪人を生み出さないように、入学定員を適正にするような仕組が必要である。

これが歯科の魅力を奪うものとなっている。

職業としての将来性の魅力のなさで以下の構図となる。

偏差値低下⇒歯科医師国家試験合格率の低下⇒応募者減⇒定員われ

将来を担う人材の質の低下となる。

現在の歯科医療崩壊で歯科が直面している最大の問題は、歯科医療の質の担保と安全の保持が困難になっていることである。

院内感染対策等を進めるために設定された歯科外来診療環境加算の算定は低い割合にとどまっている。

また経営悪化で職員数の削減をせざるをえない。

1997年方2007年の10年で25%、実数で1.2人の人員減少と9なっている。

歯科衛生士の雇用がすすまない。

東京では歯科衛生士の雇用率が約5割にとどまる。

歯科衛生士学校も減少している。

歯科衛生士養成機関数は、1998年136か所から2008年の10年間で35か所増加している。

しかし、24歳以下の歯科衛生士数は1998年1万9960名から2008年1万8286名、1974名の減少である。

また、平成22年歯科衛生士養成機関は6校が廃校となっている。

なぜ、こうなったのか!

歯科医療費がのびない。

歯科医師が増え続けていり。

患者が伸びないの、3点だと思う。

1978年以降の医科と歯科の診療報酬の格差は広がっている。

歯科診療報酬の伸びは、医科診療報酬の伸びと大きく乖離してきた。

その差が約5000億円であり、この差を埋めるためには、緊急に歯科医療費を3兆円にすることを、私たちは政府に要求しなければならない。

増加し続けている歯科医師数と横ばいの患者数であり、今日の需要ギャップが顕著になっている。

これは、患者の受診抑制策と疾患の種類の量の減少が主因である。

新規参入歯科医師数を約1200人程度とする必要がある。

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