東日本大震災:11日で丸2年 つながる東北と下関 「被災地への懸け橋でありたい」 /山口
毎日新聞 3月12日(火)15時28分配信
震災前、下関市と宮古市は大規模災害時に相互援助する協定を結んでいた。これに基づき、下関市は11年3〜7月、保健師や看護師など計51人を17班に分けて派遣。被災地で被災者の健康相談などにあたった。
更に同年10月〜今月に土木技師4人を派遣し、桟橋や防波堤など漁港施設の改修工事に尽力してきた。市は来年度も1人を派遣する予定だ。中尾友昭市長は「宮古市からお願いがある限り、派遣を続けて災害復旧に協力したい」と今後もサポートしていく考えだ。
また、道の駅「北浦街道豊北」(豊北町)は昨春のオープン以来、東北産品販売コーナーの常設▽売上金を義援金として送る▽被災地の道の駅との交流などで復興の後押しをしている。11〜22日はパネル展を開き、写真約40枚で被災地の現状を伝える。
◇土木技師派遣、支援に感謝−−宮古市長
山本正徳・宮古市長は下関市からの支援を「非常に助かっています。宮古は下関と同じ港町ですが、津波で19の漁港が破壊されました。漁港の改修工事は専門職でなければ不可能。土木技師を派遣していただいているのが大きい」と感謝する。
「震災直後、避難所で『下関市』の腕章を付け、懸命に被災者の健康管理をしてくれた看護師の姿も印象に残っています」
歯科医師の山本市長は震災時、田老地区で歯科診療所を開業していたが、津波で流出。今は仮設のプレハブに診療所を開設している。自宅も流され、妻、娘と仮設住宅で暮らす。
震災から2年。「三陸を代表する浄土ケ浜の景観や四季折々の食べ物は元に戻りつつあります」と語るが、復興はまだ道半ば。「震災のこと、被災地のことを忘れないで。そしてぜひ一度、宮古に足を運んでください」
〔下関版〕
3月12日朝刊
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