歯科の診療報酬改定問題は、”ボタンの掛け違い

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なぜ、市民病院は赤字となり、閉鎖に追い込まれるのか?

答えは、明解である。

現行の診療報酬体系は、医療における拡大再生産の原資が含まれていない。

また、公的資金の援助が極めて少ない私的医療機関は、存続さえ困難な状態にある。

「予算の枠内の配分に終始することなく、医療の質を確保するため緊急な是正が必要だ」

これが、医療機関側の叫びである。

医療亡国論は、医療費抑制に錦の御旗を与えた。

そして、絶望的な歯科の診療報酬改定問題は、"ボタンの掛け違い" であるから、是正のしようがない。

1978まで、診療報酬改定は、物価・人件費単純スライド方式であった。

スライド制は消費者物価が急激に上昇したときには見直すとされた。

だが、1981年から、修正スライド方式ともいうべき、薬価基準引き下げ財源充当方式に以降した。

「薬剤の使用が、少ない歯科は、この方式でいのか?」と中医協の場で問われた当時の、歯科委員は深い意味を解せず、「結構です」と肯定してしまった。

この結果、歯科は失われた時代に突入した。

さらに、1998からは、医科・歯科均等方式となった。

つまり、診療報酬の改定の幅は、医科、歯科同じとなった。

本来、診療報酬のスライド制は、当時の物価、賃金のインフレに診療報酬をスライドさせるという、日医の強い主張に厚生省が屈し実現した。

その端緒は1973年12月の厚生大臣の次の諮問文である。

「診療報酬を物価・人件費の変動に対応させるいわゆるスライド方式を導入すること」。

この諮問で1974年2月は、歯科19・9%の改定率が実現された。

この方式をその後の改定で、ル−ル化することは支払側の抵抗で見送られた。しかし、1977年までの4回の診療報酬改定は、「物価・人件費スライド方式」で行われた。

そこで登場したのが、薬価引き下げ財源充当方式だった。

と強まり、医療費抑制時代の幕があがった。

単純スライド方式で医療機関の医業費用の増加率は算定するが、医療機関の医療費自然増を含む医業収入増加率も同時に算定し、医業収入増加率から医業

1986年4月改定では、中医協が「上げ幅、実施時期の予算化は厚生省に一任する」と決定した。

それ以降の改定では物価、人件費の変動に対応ではなく、国家財政が捻出可能な財源の範囲内での改定となる。

診療報酬改定の財源は、薬価基準引き下げ財源が主たる財源となる。

薬価財源充当方式による改定は、薬剤比率が低い歯科の診療報酬改定は、決定的に不利な構図となった。

1988年の診療報酬改定では、医科100に対して歯科26.3となる。

そして、近年では薬価引き下げ財源充当方式の改定の結果、医科(無床)開業医と歯科開業医の所得格差は100対54.6の格差となっている。

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