東京歯科大学 金子譲理事長の挨拶

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不透明な21世紀である。

20世紀における目覚ましい科学技術の進歩によって、我々はかつて比類なきほどの恩恵を享受した。

しかし、それと同時に世界各地で起こっているテロや核の恐怖、また地球温暖化による環境問題など、難題も数多くかかえている。

大学においても、大学が学生を選択する時代は終焉をむかえ、少子高齢化に端を発する大学全入時代の到来によって、進むべき道を模索するという厳しい状況におかれている。 東京歯科大学のルーツは、1890年に本邦初の歯科医師医育機関として設立された高山歯科医学院であり、その10年後の1900年に改称して再出発した東京歯科医学院である。

その後も東京歯科医学専門学校、戦後に旧制東京歯科大学、そして現在の新制東京歯科大学と我が国の歯科医学教育のパイオニアとして幾多の努力をしながら発展してきた。 2010年には創立120周年を迎えたが、東京歯科大学の価値は、年数の長さという物理的な単位にあるのではない。

高山歯科医学院創立者である高山紀齋先生の進取の気性、開拓精神、そして建学者血脇守之助先生のヒューマニティーによって創られたいつの時代にも変わることのない建学の精神に基づいた教育理念によって、有為な人材育成を行ってきたことに、その価値があると私は考える。 改正された歯科医師法には臨床研修の基本理念として「歯科医師としての人格の涵養」が謳われている。

歯科医師の人格とは、一社会人としての人間性に医療人としての職業倫理を備えた人格であると思考するが、まさに「歯科医師である前に人間たれ」という血脇守之助先生が明治時代に言われたことが、現代で求められているのではないだろうか。

これは、今日の歯科医学教育の中で、あるいは医療人として最も大事な基本理念である。そして、この精神の継続が東京歯科大学の伝統であり、世紀を越えて生き続けているのである。 不透明な時代の中でこそ、人材育成の任を負っている大学の責任は重い。

東京歯科大学においても、歯科医学・歯科医療という立場から今後の日本、いや世界の発展に貢献できる人材を、教育・研究・社会貢献という「知」の場で育成していかねばならない。 東京歯科大学の一世紀を越える歴史と伝統の重みを背景として、確固たる教育理念に基づき時代の要請に順応していくことにより、新しい道を切り開き、新たな時代を築き上げることができると確信している

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