東京歯科保険医協会の国会議員学習会(上)

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歯科医師国家試験の不合格者8000人

 

東京歯科保険医協会の「歯学部定員割れに見る歯科医療の危機と政策提言を考える」国会議員学習会は既報のとおり10月7日、参議院議員会館の地下会議室で開かれた。司会は森元主税副会長が務め、はじめに中川勝洋会長が挨拶をした。この後、南條芳久政策委員長が報告をした。 

<中川勝洋会長の挨拶>  

「21世紀にふさわしい歯科医療改革提言」をまとめた。パンフレットのような小さな冊子である。我々の協会は開業医の集まりであるので、開業医の目線で歯科医療の危機をどうするかを政策提言した。この提言は歯科医師向けというよりか、一般の国民に歯科医療の現場を理解してもらう内容である。最初のテーマになるのは、歯科医師の需給問題だ。歯科医師過剰と歯科診療所の競争と淘汰であり、急増する歯科診療所の廃止や休止、需給ギャップが拡大している。緊急に改善を要する歯科の課題と提言について、活発なご意見をいただきたい。 

<南條芳久政策委員長の報告> 

まず、歯科医療の崩壊、歯学部の定員割れの大きな問題を紹介したい。私立歯科大学・歯学部が17校ある。そのうち11校で定員割れが進んでおり深刻な状況だ。残念ながら偏差値も下がっており、志願者が減少している。(昨年55.2%から33.3%に落ちた歯学部もある)歯科の魅力がないことの表れであり、歯科医師国家試験の合格率は70%切っている。これは他の医療関係職の国家試験の合格率と比べ、特異な状況である。8000人の国家試験不合格者がいて、2回目の合格率は50%を切っている。かなりの人が歯科医師になることを諦めている。私立歯科大学・歯学部を出ると3000万円〜4000万円かかる。また、歯科医院の経営基盤の崩壊から、子どもを歯科医師にさせたくない状況だ。-----------------------------------------  

以下、南條芳久政策委員長は報告のなかで、歯科診療所の経営危機が生み出している諸問題の原因にふれた。

現場が疲弊し安全安心の基板が失われつつある。国民の6割が歯科医療費を減らしている。かかりたくともかかれない実態がある。保険証1枚でいつでもどこでも歯科を受診できる仕組みが崩壊している。低所得者ばかりではなく、中流といえる階層まで歯科受診を控えるようになっている。歯科受診は経済的理由による格差が生まれやすい特徴がある。30年にわたる診療報酬改定で大幅な診療報酬の抑制がある。

診療報酬の抑制で歯科医療費は2兆5000億円で横ばいであり、3兆円を確保してほしいと訴えた。新規技術の導入も困難である。歯科技工専門学校、歯科衛生士専門がどんどん閉鎖されている。20歳前半の歯科衛生士が減少している。歯科衛生士を雇いたくとも雇えない現状がある。歯科技工士は若い人が離職していく。歯科技工士の半数が45歳以上で高齢化している。歯科技工が将来出来ないようになることを危惧している病院歯科が減少しており、地域歯科医療が後退している。歯科診療所では午後8時、9時、10時まで診療をしている。若い人が集まらない。

1978年から2008年までの伸び率は、同期間までの消費者物価の伸び率146を大きく下回る124に止まっている。2008年の歯科医療をもとに計算すれば、この差は5000億円になっていると推計される。医科歯科の格差は、1984年から1996年まで続けられた「薬価差益の技術料振り替え」の時期に拡大をしている。以上の報告を踏まえ、出席した国会議員に発言、意見を求めた。

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