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ニュース

2009/06/23

学会・学術

日本老年歯科医学会学術大会・注目演題続く

6月18、19、20の3日間、第20回日本老年歯科医学会総会・学術大会(大会長=山根源之・東歯大教授)が、「さわやかな長寿生活を支える口腔機能の役割」をテーマにして、パフィコ横浜で開催された。全国から多数の歯科医師、歯科衛生士、介護福祉士等が参加し、事務局の予想を超え活気ある大会になった。大会関係者は「多数の参加者があり、嬉しい悲鳴でした。前回とほぼ同数の抄録を用意しましたが、初日でなくなりました。一部はコピーで対応した次第でした」と述べていた。具体的には、特別講演、教育講演、シンポジウム、ハンズオンセミナー、ランチョンセミナー、口演発表、ポスター発表が行なわれた会場では多くの参加者で熱気に溢れる中、熱心な質疑応答が行なわれた。まず、教育講演「高齢者の静かな暗殺者・口腔内バイオフィルムとの戦い」奥田克爾・東歯大名誉教授は、現在、歯科界で注目されている疾病である”誤嚥性肺炎”を含めた細菌関連の研究・臨床からの課題を報告した。「自然免疫や捕獲免疫、消毒薬、抗生物質の効能を理解した中で、要介護高齢者に対しての口腔内バイオフィルム除去戦略として、マンパワーが不可欠な、口腔ケアが最も有効である」と指摘した。今後の歯科界の対応を提示した。また、新たな視点から行なわれた講演「歯科疫学と栄養疫学の統合に期待するもの」佐々木敏・東大大学院医学系教授は、今までの歯科と栄養の関連に関しての研究を紹介した。「従来の生化学的な研究が中心であった。今後は噛むという行為についても、生理的な研究も重要なになってくる。歯科疫学の協力が不可欠であり、”食べる”という行動を中心に据えた疫学研究が求められる。歯科疫学と栄養疫学の両者の方法論を統合した研究の促進が重要」と力説した。一方、シンポジウム「施設における口腔ケアの普及に向け」では、各パネラーから貴重な意見が出され、会場からも質問が相次ぎ、建設的な議論が行なわれた。福泉隆喜・厚労省医政局歯科保健医療調整官が「介護保険施設において、介護職員に入所者に対して計画的かつ効果的な口腔ケアを行なうことができるように、歯科医師又は歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、当該施設の介護職員に対して、入所者の口腔ケアに係わる技術的助言及び指導等」を行なう場合を評価し、”口腔機能維持管理加算”が新設された」と、その背景と意義を説明した。続く栗木みゆき氏(多治見口腔ケアグループはねっと代表)の報告は、歯科医師、歯科衛生士から注目された。訪問歯科衛生士として口腔ケアグループを平成9年に設立し、歯科医師会とも良好な関係を構築していることに多くの関心を集めたが、以下のように報告した。「口腔ボランティアは、デイサービスだけでなく施設入所者まで広げ、年間600名前後まで診ることができた。2年後には、NPO法人にしていく予定になっています。社会的にも責任をも持ちながら、さらなる活動していきたいと考えています」と意欲を示していた。会場からは、歯科衛生士や歯科医師から「歯科医師会との関係、経済的要素を含めたビジネスシステムはどうなっているのか」等の質問もあったが、「継続している中で、市民、行政、医師、歯科医師から評価を得てきたのかもしれない。継続することの重要性を感じている」と今日までの経験を生かして、ステップアップしていく姿勢を示していた。なお、口腔ボランティアは、今年の4月から、自主活動グループ”多治見口腔ケアグループはねっと”と名づけ、訪問歯科衛生士として、地域住民の健康のために活動しており、シンポジウム終えた後でも、会場外で名刺交換・説明を求める列ができるほどであった。

奥村 勝 氏

オクネット代表。明治大学政経学部卒業後、一般企業に就職。さらに東京歯科技工専門学校を経て歯科医院、歯科技工所に勤務。さらに日本歯科新聞社編集部記者、雑誌「アポロニア」(日本歯科新聞社)編集長、新聞「Dental Today」(医学情報社)編集長を歴任

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