政府が介護・医療施設専門のREITの創設を解禁

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介護・医療REIT上場へ 整備に個人マネー活用 

日経電子版 2013年10月3日

 

老人ホームや病院など介護・医療施設に運用対象を限定した不動産投資信託(REIT)が来年にも初めて上場する。政府が来年度に介護・医療施設専門のREITの創設を解禁する方針を受け、三井住友銀行がNEC系リース会社などと200億円規模のREITを立ち上げるほか、新生銀行も上場を計画している。個人や機関投資家のマネーを活用した高齢者向け施設の整備に弾みがつきそうだ。

 

REITは投資家から集めた資金や借入金で不動産を購入し、その賃料収入や売却益を投資家に還元する金融商品。投資口(株式)を証券取引所に上場する。運

用資産はオフィスビルや物流施設が多い。今回は有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、病院などを対象にする。現在の制度でも上場はできるが、施設

を運営する業者の財務状況などが把握しにくく投資のリスクが高いため上場は皆無だった。

 

政府は6月に発表した成長戦略で、介護・医療施設専門REITのガイドラインを整備する方針を打ち出した。現在、金融庁と国土交通省が施設を運営する業者の財務状況の情報開示やREITとの契約条件などのルールを検討しており、来春にも上場が可能になる見通し。良質な物件に限ることで個人が安心して投資できる環境をつくる。

政府の解禁方針を受け、民間企業も動き始めた。三井住友銀とNECキャピタルソリューション、介護施設運営大手のシップヘルスケアホールディングスは2014年6月にも、200億円規模の専門REITを東京証券取引所に上場する。施設の購入資金を融資する大手銀と、ファンド運営ノウハウを持つリース大手、介護施設の評価や情報収集力を持つシップ社が連携し、国内初の上場を目指す。

新生銀も「医療・介護業界が発展するインフラとして役立てたい」(当麻茂樹社長)として、1千億円程度の専門REIT設立を検討している。

 

高齢化に伴い、介護施設への入居希望者や医療サービスの受診者は今後も増える見通し。介護などの施設は同じ事業者が長く運営する場合が多く、契約更改で賃

料が大幅に下落するリスクもオフィスビルなどに比べて低い。一定の配当利回りが期待でき、個人投資家の中長期の運用の選択肢となる可能性がある。

政府が民間資金を活用した介護・医療施設の整備を急ぐのは、高齢化の進展で施設の拡充が必要になっているためだ。特別養護老人ホームには現在、全国で約50万人が入所している。ただ、25年度には現在より5割多い73万人分の定員数が必要と推計されている。

厚生労働省は特養ホームに加え、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を増やす方針。REITが既存の施設の買い取りを進めれば、介護や医療事業者は売却資金を新たな施設の建設に充てることができ、供給増が見込める。

 

米国ではヘルスケア施設を投資対象とするREITの時価総額が約8兆円に達し、オフィスや住宅と並ぶ主要な運用資産となっている。オフィスや商業施設が主

要な投資対象である日本でヘルスケア施設専門のREITが普及すれば、個人や機関投資家の運用の選択肢が増えることにもなる。

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