岩手県歯科医師会:口腔がん検診スタート・広域対象では全国初の事業

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岩手県歯科医師会(箱崎守男会長)が4月から、同県内のほぼすべてとなる約650歯科診療所で、患者に対し口腔がんの検診を始め、その効果への期待が関係者の間で高まっている。口腔がんの認知度は低いが、死亡率は腎がんや白血病と同程度と高く、早期発見による早期治療を目指す、としている。静岡県歯科医師会、千葉市歯科医師会などでは、医科医療機関との連携による、がん検診事業が行われているが、都道府県単位で口腔がん検診をしているところは全国的にもまだ少ないという。昨年11月に東北の6県歯科医師会と北海道歯科医師会、岩手医大を始め、東北大学、奥羽大学の歯学部、さらに弘前大学、秋田大学、山形大学、福島県立医大の歯科口腔外科等の含む7大学の歯学部などが設立した東北口腔がん対策推進会議が、進める事業の一環としている。今回のように広範囲で実施するのは全国では、初めてであり、6県の中では岩手県歯が最初になる。歯科医師は、患者を治療した後、6県共通で作成した13項目のチェックシートに従い、口腔内をチェックして、異常が見つかれば岩手医大に紹介する。治療で来院した場合、検診は無償となる。口腔がんは、舌がんや歯肉がん、頬粘膜がんなどの総称で、全国で年間約7,000人がかかっている。10万人あたりの死亡率は7.7人で、腎がん(7.3人)や白血病(7.4人)を上回る。岩手医大でも年80〜90人が治療を受けている。初期段階で治療を受けた場合、5年後の生存率が90%程度あるのに対し、後期になると50〜60%に落ち、咀嚼や会話など、口の機能が下がる。だが、自覚症状がないため、発見が遅れがちだという。一方、今回の事業の背景と今後への展望について、岩手県歯役員によれば、要旨次のように説明している。「今回の事業は、歯科界全体として考える場合には、2つのステージがあるものと思っています。1つ目は、静岡、広島などの先進県における広く"がん対策推進"を医療連携として進めている実例。加えて、国立がんセンターが日歯に"仲介"を依頼して1都5県における、"がん手術・治療前の歯科医療、口腔ケアを含め"の対応です。かかる先進事例を全国都道府県における、"がん対策"推進協議会、会議等に活かしていきたい。2つ目のステージは、上記ステージでは対応として"一般論"としての総論対応になると思えます。例えば、"都道府県保健医療計画に盛り込まれました"のような評価で宜しいのか、というとそうは思っていません。それは不十分だと思います。本来であれば胃がん検診やマンマ検診のように取り扱うべき検診が、口腔がんや口腔粘膜疾患においても検診体制として実行できないのであれば、まずは歯科医師が日常的に行っている歯科診療の中で対応すべき、との考えから東北・北海道ブロック役員協議会に提言し、歯科医師が行う"がん対策"推進を行うべきであり、その推進体制を今回示したもので、医療連携の姿が、各所においても提示されるものと思います。医療全体が4疾病(糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、がん)にシフトし、関係する諸団体が、対策推進が求められている中、歯科界がこれらの動きと無関係ではありえません。歯科界とは歯科医衛生士、歯科技工士、歯科関係業者を全て含めた意味です」。普段受診する患者に目を配る形で、広くチェックする例は、これまでなかったことから、今後の事業の展開に地域ほか医科からも大きな期待が寄せられている。
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