その昔、「芸能人は歯が命」というCMがありましたが、一般人であっても、歯が外見に与える影響は大きいですよね。
また、歯並びが悪いと、心身の不調を引き起こすこともあります。
歯並びが悪くなる原因はさまざま。たとえば、「子どもの歯並びがどんどん悪くなる意外な習慣が判明」では、食事中の姿勢が歯並びに及ぼす影響をお伝えしました。
引き続き、クラジ歯科医院院長・倉治ななえ先生の著著『子育てできれいな歯並びを!』をもとに、子どもの歯並びを悪くする意外な習慣をお届けしたいと思います。
■口呼吸が歯並びに及ぼす影響とは?
倉治先生によれば、歯並びに悪影響を与えるくせナンバーワンは、なんと“口呼吸”なのだそう。
一体、口呼吸が歯並びにどのように影響しているのでしょうか?
そもそも、正しいかみ合わせは、舌が前歯を押す力(内側からの圧力)と、口周辺の筋肉が歯を締め付ける力(外側からの圧力)と、両者のバランスがとれていることで保たれるのだそうです。
このバランスが、口呼吸によってどうなるのかというと、倉治先生は著書で以下のように述べています。
「口で呼吸している人は基本的に口が開いています。
そのため口のまわりの筋肉の締まりが悪くなり、前歯に外側からの圧力がかかりません。
前歯には内側からの圧力(舌の力)ばかりが一方的にかかるため、前歯が前方に押し出されたり、上下の前歯の間にすき間が空いてしまうのです」
口のまわりの筋肉が弱くなることが、歯並びにも影響してしまうのですね。
お子さんが口呼吸か鼻呼吸かどうかは、ぱっと見た目ではわかりづらいかもしれません。
まずは、お子さんに「口を閉じて鼻だけで息をしてみて」と言ってみて、1分間、鼻呼吸をさせましょう。
お子さんが、「鼻では難しい、苦しい」「途中に口で息しちゃった」などと言うようであれば、口呼吸の習慣があると判断できます。
■子どもに鼻呼吸をさせるためには?
口呼吸をしてしまう原因として、まずは鼻が詰まっていることが考えられます。子どもが口呼吸している場合、耳鼻科で鼻の通りをよくしてもらいましょう。
また、以下の2つのトレーニングで口のまわりの筋肉を鍛えてみてください。
(1)ボタントレーニング
前歯とくちびるの間に、糸をつけたボタンをはさみ、糸を強く引きます。ボタンがはずれないように、くちびるの力で押さえることで口のまわりの筋肉が鍛えられます。
(2)アイスバートレーニング
アイスキャンディーのバーを上下のくちびるの間に数分間はさみます。歯でかむのではなく、くちびるで力を入れすぎないようにしてはさみましょう。
以上、口呼吸が歯並びに与える影響についてお届けしましたがいかがでしたか?
24時間絶え間なくする呼吸だからこそ、歯並びだけでなく、体に与える影響は深刻です。
お子さんの呼吸のしかたをすぐにチェックしてみて、鼻呼吸の習慣を身に付けさせましょう。
【参考】
※ 倉治ななえ(2011)『子育てできれいな歯並びを!』(主婦の友社)
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