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ニュース

2009/10/09

歯科医師関係

奥田克爾・平成帝京大学薬学部教授”口腔ケア”を強調

 新型インフルエンザ対策が議論されており国家として緊急政策になっているが、最近の報道では「緑茶うがい」の効果を訴える意見が注目されている。一方で、口腔内の健康・清潔を保つことが重要としているのが、奥田克爾・平成帝京大教授。同教授は大学での講義ほか全国各地で講演をしているが、新型インフルエンザ対策が求められている中、過日、横浜市内で開催された「健康医療フォーラム」で講演し、口腔の健康と口腔ケアの重要性を指摘した。講演の一部を紹介する。 「お口の細菌は、お互いにコミュニケーションをとり合って歯の表面にデンタルプラークというバイオフィルムとも言われる集団になって、数百億も住み着いています。歯周病が進んでいる場合や歯磨きなど口腔清掃を怠ると数千億に達します。口腔の細菌たちは、私たちのストレスをキャッチして病原性を強めてくる一筋縄で駆逐できない難敵です。   医学の父と言われるヒポクラテスは、口の病気をなくすれば全身の健康が回復すると説き、デンタルプラークが作る歯石を取り除くスケーラーを作っていました。そして、20世紀になり、お口の慢性感染症がリウマチや腎臓病などに関わることが指摘されるようになってきました。多くの成人が罹患している歯周病は、さまざまな全身性の疾患に繋がることが、歯科と医科の共同研究によって明らかにされました。また、メタボリックシンドロームと歯周病の密接な関わりについての証拠も捉えられました。  歯周病の原因となる細菌は、痛みなどをもたらすことも無く、歯を支える組織を破壊して歯茎からの出血を起こし、歯を支える骨を溶して歯周ポケットという自分たちの住処を拡大しています。彼らは悪臭の原因にもなりますが、怖いのは頻繁に血流に入り込んで動脈硬化を起こし心臓病や脳梗塞などの循環障害にも係わることです。 お年寄りの悪い友達は肺炎です。原因となる細菌は、お口に潜んでいます。歯の周囲の細菌が唾液に混入して下気道や肺に流れ込み、毎日300人から500人もの高齢者などの命を奪う暗殺者となっています。驚くべきことですが、歯の多く残っている方が、肺炎が起こりやすいことです。したがって、介護の必要な高齢者などに対しては、清掃を中心とするケアが不可欠になります。 メキシコ中心に感染が拡大したH1N1新型インフルエンザウイルスは、元来ブタに感染しているウイルスにトリ型とヒト型が混ざり合って出現した毒性の弱いものです。怖いのは、今世紀になってトリからヒトに感染している強い病原性のトリ型H5N1です。このトリ型H5N1がヒトからヒトに感染するようになれば、人類が経験したことのない大流行をもたらすでしょう。次々に出現する新型インフルエンザウイルスとの戦いを余儀なくされていますが、日頃からの口腔ケアが、インフルエンザ感染予防に繋がることになります」。 なお、コメントとして「東歯大を退職してから薬学部教授をしていますが、いつも歯科界がさらに夢のある明るい未来がなくては、ならないと微力ながら頑張っています」と述べている。10月30日は、ヤクルトホールで開催される「第8回腸内細菌とメタボリックシンドローム」の国際シンポジウムで講演する。

奥村 勝 氏

オクネット代表。明治大学政経学部卒業後、一般企業に就職。さらに東京歯科技工専門学校を経て歯科医院、歯科技工所に勤務。さらに日本歯科新聞社編集部記者、雑誌「アポロニア」(日本歯科新聞社)編集長、新聞「Dental Today」(医学情報社)編集長を歴任

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