台湾から視察の目的は医療ツーリズムの情報収集

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 最先端医療を訪日外国人に提供する医療ツーリズムが、日本でも普及の動きを見せ始めている。

日本を観光中に人間ドックなどの受診を組み合わせる事例に加え、本格的な医療を希望する外国人の受け入れ体制も徐々に整いつつある。景勝地や娯楽施設にとどまらず、日本の医療を有力な"観光資源"にしようと、自治体の期待も高まっている。

 

 高徳院の大仏など数々の観光名所を抱える神奈川県鎌倉市。

ここにある湘南鎌倉総合病院に昨年9月、台湾から旅行関係の視察団が30人ほど訪れた。

視察の目的は医療ツーリズムの情報収集。

「日本の医療の一番の強みは」「高額ではないのか」と矢継ぎ早に質問が飛び交い、日本の医療への関心の高さをうかがわせた。

 

 旅行大手のJTBは、全国で病院運営をする徳洲会グループと提携し、医療ツーリズム事業を本格的に展開しようとしている。

湘南鎌倉総合病院内に、徳洲会グループ、JTB双方の担当者が常駐する「国際医療支援室」を設置、受診を希望する外国人に対し、全国に66ある徳洲会グループのうち最適な医療施設の手配事業を展開している。

 

 JTBには全国の自治体からも100件以上の問い合わせが殺到している。

反響の大きさに「国際医療交流は、地域活性化の切り札になる」(JTB)とし、地域経済への波及効果に期待を寄せる。

 

 医療ツーリズムに期待するのはJTBだけではない。

外国人の誘客に向け、羽田空港からほど近い千葉県木更津市に昨年開業したアウトレットモールの近接地に医療施設の新設を検討する動きや、先進的な糖尿病検診技術を生かして誘客を狙う徳島県など、差別化を図った計画や取り組みが全国で進行中だ。

 

 観光庁の調べでは、平成22年の1年間で、日本で診療を受けた外国人数は、中国やロシアからを中心に5千人程度。

医療ツーリズムが盛んなタイが年間200万人規模であることと比べると、日本の医療ツーリズムの取り組みがいかに遅れているかが分かる。

 

 だが、取り組みの遅れは今後の可能性の高さを示してもいる。観光庁では「優れた医療を受け、日本で治癒できた、という経験を自国に持ち帰ってもらうことで日本のブランド力が高まる」(国際観光政策課)とし、医療ツーリズムに力を入れる方針。今後、外国人が円滑に受診できるよう、最適な病院の斡旋(あっせん)や滞在時のフォローなどができるコーディネーターの質向上や適切な情報発信を進める考えだ。(那須慎一)

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