災害に備え神奈川歯科大で講座新設へ、
身元鑑定法など学ぶ/横須賀
神奈川新聞 カナロコ 7月29日(日)16時0分配信
神奈川歯科大学(横須賀市)は2013年度から、大学院の歯学研究科に新設した「災害医療科学講座」をスタートさせる。歯型による遺体の身元鑑定や避難生活中に不十分になりがちな口腔(こうくう)ケア方法を学ぶことで、地震などの被災者に対する歯科医療を担う人材を養成するのが目的。歯学系大学では初の設置で、通常の歯学では学ばないカリキュラムとなる。
講座では、鑑定や仮歯を迅速に作る方法などを学ぶほか、資料を基に横須賀地域などの災害規模を想定し、災害発生後の活動内容を討論する科目も置く予定。災害時の歯科医療の総合的な研究は例がなく、危機管理分野の有識者の意見や同大の被災地支援のノウハウなどを集約してカリキュラムを完成させる。
同大学院によると、口腔ケア不足による誤嚥性(ごえんせい)肺炎といった震災関連死防止などの観点から、被災地における歯科医療従事者の活動の重要性は阪神大震災後から課題となっていた。昨年の東日本大震災を機に講座設置を決めたという。
また、今年4月には同大提案の研究プロジェクト「横須賀・湘南地域における大規模災害時の歯科医療実践モデルの創出と人材育成拠点の形成」が、文部科学省の私立大学戦略的基盤整備支援事業に採択された。大学院では災害医療歯科学講座を母体として、同事業を担う「横須賀・湘南地域災害医療歯科学研究センター」も近く設置する予定。地域のニーズを把握するための協議会も設ける。
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